シーズン1から楽しんできた傑作クライムコメディがついに終わった。
本シリーズ全体を振り返ると、渇いた質感、撮影アングル、人間の二面性、含蓄のある会話劇など、単なるフィクションの枠を超えて、意外な重みを持って迫ってくる。
人生の悲喜劇を残酷に描写するシーンが数多くあり、そこにブラックユーモアも忘れない。ビル・ヘイダーの顔演技もうまい。小悪党ハンクのキャラは絶妙だ。
根っからの悪人ではない小悪党、小市民が悪の世界に引きずり込まれていく設定をみると、随所に名作ドラマ『ブレイキングバッド』の影響を感じる。
シーズン4は中盤までいまいち乗れない感があり、旧作よりも評価がマイナスだったけれど、何とかラスオチ展開で盛り上げてきた。
後日談がちょっと長い。バリーが神頼みのボンクラで石頭の原理主義者に変貌していたのが残念だった。
因果応報的な文脈により、ああいうオチを選んだのかな。
宗教で話をまとめてほしくなかった。