このレビューはネタバレを含みます
前回よりも哲学的になっている。
何よりもアンドロイドの物語として新しさを感じたのは、人間を目指そうとするアンドロイドと、不死のアンドロイドになりたい人間の対比。
人間はすべての生物を支配する生き物として傲慢さが生まれる者。
ホストは人間としての本来の心が芽生え始めるが故に善良になろうとする者。
虚構に行き過ぎ残忍になったが故に自殺を図ろうとするものの、図れなかった人間のウィリアム。
リアルを追求するために残忍にならざるを得ず心を失うのを恐れ自殺を図るホストのテディ。
9話で描かれたこの2人構造は見事だった。
物語は全話通してトリッキー。
さすがノーランファミリーといわんばかりの時間の錯綜で視聴者を混乱させてくれた。
そのおかげで、ついてこれなくなる視聴者も少なくない気はするが、理解できた時の喜びはまた一興。
「あなたはどこからきたの?」
とインセプションを彷彿とさせるセリフもまたノーラン家の伝家の宝刀か。
GOTの後継作品と言われれているが、もはや後継というよりも別路線で神格化されていきそうな気がする。
GOTほど「面白さ」はないものの、「哲学」「SF」の面では海外ドラマとして最先端を走っていることは深く感じられた。
今後も予測が不能なだけ、期待が止まらない。