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ザ・ナイト・オブ/ナイト・オブ・キリング 失われた記憶のutakoのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

素朴そうなパキスタン系アメリカ人男子大学生(イスラム教徒)が、偶然出会った白人の女の子と一夜を共にしたのち目覚めるとその女の子の惨殺死体が。多数の目撃証言や物的証拠から第一容疑者になってしまう主人公ですが、当の本人には殺人の記憶が全くなくて…。

物的証拠から犯人にしたい世論、警察、検察側と、主人公の育ちや人柄から無実を信じる家族や弁護側とのバトルが全8話とコンパクトながら無駄なくかつ見応えたっぷりの内容で深みのあるドラマでした。

9.11アメリカ同時多発テロ後のイスラム教徒への差別をテーマとしており、弁護士の最終弁論が多くを物語っていたと思います。確証もなく他の事件の印象で人種を一括りに見てしまうことは無実の人間の一生を不用意に破壊する危険性を孕む…そんなメッセージが込められていたと思います。

実際、刑務所に入れられた主人公が刑務所内の慣習に染まり、しなくていい悪事に手を染めたりするエピソードは考えさせられましたね。ラストの新展開は救いになっていて良かった。
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