ドスティ

THE WIRE/ザ・ワイヤー シーズン5のドスティのレビュー・感想・評価

4.6
完走。
善悪に境界線は無く常に中立で断罪も救済もしない独自の作風に相応しく、ボルチモアの現実を映したやるせない終幕…。

嘘と真実がテーマで精神的に辛く殆ど笑えなかったけど、フェイクニュースに日々直面する今だからこそこのドラマの重要性は揺るがない。

レスターを引き入れて暴走するジミーは完全にやり過ぎで、真摯に捜査するバンクと不正を見過ごせないキーマが救い。

ボルティモア・サン紙の犯罪記事担当記者を13年間務めたクリエイターのデヴィッド・サイモンならではで、ジャーナリストの信念を代弁するガス良かったし、スコットには嫌悪感を抱いた。

大好きなオマールの思いがけない最期は本当に悲しかった…いつまでも心に残る至高のキャラ。

コーナー・ボーイズのその後は更に胸を締め付けるものだけど、過去に苦しむバブルスが罪を償うべく再生する姿が希望。

酷い世の中で何も変わらなくても、誰かの助けで変われる人もいる。
素晴らしい物語だった。
ドスティ

ドスティ