富と名声に取り憑かれた腐敗した国民の支持を得るスーパーヒーロー集団の許されない悪行三昧にスポットが敷かれている。一言で云えばヒーローたちの活動で被害に遭った"やられたサイド"が人生を狂わされた報いにヒーローを計画的に狩る話。昨今アメコミ映画全般の絶大なる人気に、頓知や警鐘を効かせたような視点を拡張する悲劇かつブラックコメディの構造は興奮するしおもしろい。いつもヒーローが善行だけを行なってるとは限らない。正義を全うするにはある程度の犠牲と被害はつきもので、被害者に泣き寝入りさせるような表顔の薄皮一枚めくった裏の顔が超現実的にデフォルメされている。第2話までのトランスルーセント絡みのエピソードは楽しめたが3話以降が急激に失速した模様。題材そのものの発想は最強だが、シーズン1全体であまり大々的な変異がないため、シーズン2に大きな期待がかかる。にしても首謀者ホームランダーのスーパーマンを直接彷彿とさせる独特のフォルムは凄く皮肉でした。
※アマプラにて約2日程度で全話鑑賞。
