イキリのおたくくん

ザ・ミスト シーズン1のイキリのおたくくんのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ミスト シーズン1(2017年製作のドラマ)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

人を選ぶ作品。
個人的には好きなドラマだったから、あまりにも各所でボロクソ言われている、それもシーズン1で打ち切りということで残念に思う。


スティーヴンキングの小説全般では、ネチネチネチネチと細かい動作まで書き込んで、人生を思わせる描写によりどうしてその登場人物がその選択をするのかの説得力を持たせてくれるところがある。(ちょっとどうなのというものもありはするが)
そこが好きなところのひとつなので、限りなくキングっぽく作られているこのドラマの評価はかなり高かった。
やっぱり映画版のイメージで、映画版のようなものを求めるとがっかりするのかもしれない。


ドラマでこれをやるにはかなり観客を選ぶんだろうなとも思った。全10話の中なかなか話は進まないし、多くの観客は好みのストーリーとたくさんの展開を求めているだろうから、ゆっくりじわじわと進む、そこにティーンの恋愛が絡む(私も正直ティーンのいざこざに興味はない)と白けるんだなと…。レ●プの真相も早い段階で察しがつく。
加えて、コンパクトにまとめられオリジナルの最高エンディングも入った映画版が出ているのなら、そういうのを期待する人も多かったんだろうなと思った。
ただ今回のドラマ版のエンディング(?)も好きだった。
モールの人間を皆殺しにする選択って良いですね…。☺️


映画版のような霧の中で跋扈するモンスターを期待したが、おそらくモンスターと言っても人間の深層心理を利用して生まれる何かというぐらいでクリーチャーデザインを楽しむことはできなかった。ここは残念な点。
けどこれもこれで好きな設定。


霧の中で殺される人は、すでに死んでいる誰かや何かに罪悪感を持っている人?
ナタリーが霧の中で殺されなかったのは、この時は使命感に燃えていたからか。ラストで自分のやれることはやり切ったから、夫と死んでしまった子供がやって来て殺される。
アレックスと少女の違いは、まだこの時のアレックスには負い目のある死者がいなかったこと?少女の場合は何かに対して負い目があったのかもしれない。直前まで読んでいた絵本の読み上げられた部分にヒントがあったかも。霧の中で昔死んだ飼い犬?に殺された人もいた。
シーズン2があれば、霧の中でも殺されない条件に罪悪感があるのだとすれば、罪悪感のない人間は化物のようなものだ…みたいな話にも持って行ったのかもしれない。


この辺も何もかもが謎に包まれたまま打ち切りということで想像するしかない。
海外のドラマなので警戒していたが、ラストはしっかりシーズン2に続く…という終わり方をするので、ここも残念な点。