Kz氏

全裸監督 シーズン2のKz氏のレビュー・感想・評価

全裸監督 シーズン2(2021年製作のドラマ)
3.8
昨年の緊急事態宣言でNetflixを選択したきっかけが、「ROMA」「アイリッシュマン」とともに本作season1。レンタルビデオを壊滅に追い込んだのはサブスク配信だから、本作はNetflixの贖罪なのかもしれない。

60~70年代の「文化人」は、寺山修司にせよ野坂昭如にせよ若松孝二にせよ、胡散臭い人ばかりで、音楽(ROCK)の世界にまで視野を広げれば、それこそ引きも切らない。どことなく怪しい、疑わしい、油断ができない佇まいは、確立した価値観の足元を危うくさせるところから発していたに違いない。

80年代には、「文化人」はすっかり清潔になってしまって、もとからいかがわしげなエロ事師にしか、そういう臭いの人はいなくなった。クリスタル映像にもダイヤモンド映像にもお世話になったけれど、宮崎勤事件からメディアに逆風が吹き始め、90年代後半のネット普及でその人たちも表舞台から姿を消した。

今、胡散臭い表現者はいるのだろうか。表現の世界には、怪しさがなければつまらない。
Kz氏

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