このレビューはネタバレを含みます
1972年ミュンヘンオリンピック「黒い九月」事件の一日を、ABCTVスポーツ中継の副調整室から追体験する。アーカイブ映像に馴染ませた粗い画面で、クルーが見聞きした以上の情報は入らない。テロ報道のまさに>>続きを読む
「ハイパーボリア人」に曳かれてNetflixオリジナルのチリ映画を。
政界引退後の独裁者アウグスト・ピノチェトを、老吸血鬼として描くストレートなメタファ。人々の生き血を飲み続けて生きながらえ、会計士>>続きを読む
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女優アントが盗まれて喪失したフィルムを記憶に従って再現する映画。その映画は、臨床心理学者でもある彼女の患者の幻聴を、クリストバル、ホアキン監督が映像化したもので、幻聴の内容はチリ外交官でヒトラー信奉者>>続きを読む
「ハイパーボリア人」併映8分の短編。
1973年から16年間継続したピノチェト軍事独裁政権下、ピノチェトはその後も1988年国民投票敗北まで政界にとどまり続ける、で、「行方不明」となった未成年者を追>>続きを読む
野村萬斎・安倍晴明、伊藤英明・源博雅のコンビが好きで、滝田洋二郎監督作品は2作とも映画館に足を運んだのだが、映画では二十数年ぶりの陰陽師が山崎賢人で、躊躇してしまった。が、WOWOWで配信されたので見>>続きを読む
「テロ,ライブ」に曳かれて、「見えない目撃者」(2019年)の原作韓国作品を。見る機会がなかったのだが、WOWOWで配信。同じ監督で、2015年に中国でもリメイクされているようだ。
邦画は封切りの5>>続きを読む
おそろしく上映館が少ない。都合が合わずにバラバラになり、カミさんは新宿まで、私は本厚木まで赴く。現職時、毎夏演劇部の合宿をしていた愛川へのバス乗り場なので、何だか懐かしい。
全館リフォームのために無>>続きを読む
現在ロードショー公開中の邦画「ショウタイムセブン」原作の韓国作品。
ビル爆破のスペクタクルもあるものの、終始狭いラジオブースのワンシチューエーションで展開する。爆弾テロ犯からの電話を受けて、急遽カメ>>続きを読む
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成仏できない鬼神が人に憑く韓国ホラー。
wikiによると、音読みの「きしん」は、「おにがみ」の妖物ではなく、天地万物の霊魂を意味するそうだから、魂魄この世にとどまりて、の怪異譚。死者が今生と後生の中間>>続きを読む
面白い。2時間超えを感じない。
主人公蓮田兵衛は室町中期に実在した人物で、土豪百姓を糾合した一揆の首魁として名が残るが、出自は不詳、「新撰長禄寛正記」に数行の記述があるだけだそうだ。
応仁の乱前夜の>>続きを読む
アルゼンチン映画。
「LAMB ラム」や「ミッドサマー」のような、非キリスト教文化圏のホラーかと思っていたが、アルゼンチンは国民の約76.5%がカトリック教徒だそうな。その文化の下で描かれた、神が死ん>>続きを読む
韓国三大心霊スポット紹介のYouTube番組を見たのだけど、ヌルボムガーデンは飲食の路面店で外観も映画の洋館とはずいぶん違う。英語原題も庭園の花園の「Spring Garden」だし、宣伝と異なりヌル>>続きを読む
ブームから四半世紀ほどを経て、Jホラーは錆びついて来た感がある。そのリブートを期待できる新作だそうな。
ジャンプスケアも人外のモンスターもゴアも登場しない、淡々とした映画。
モチーフは古典的で隠れ里>>続きを読む
20年近く昔のタイホラー。見たいと思いつつ機会を逃していたが、wowowで配信。祟りの話。
「女優霊」や「リング」や「呪怨」の数年後の作で、Jホラーの影響をかなり受けていると思う。心霊写真もさること>>続きを読む
77歳退職大学教授の日常映画。
静かで丁寧な生活が、次第に、夢と現実の区別が付かなくなり、朦朧の内に秘めた欲望が漏洩する。生者と死者も、過去現在未来の時間さえも入り交じり始める。
アンソニー・ホプキン>>続きを読む
「Twilight of the Warriors: Walled In」が英語原題。
「黄昏」は、ラストシーンで闘い済んだ主人公達が九龍城砦から眺める夕暮の情景のこと。1984年に香港中国返還が決ま>>続きを読む
原題は「The Childe」で物語のままなのだが、名無しの主人公にシフトした邦題は素晴らしい。イケメンで高級スーツをまといベンツを乗り回す、謎の男キム・ソンホをよく表現している。
韓国巨大財閥の相>>続きを読む
吉田大八作品「敵」を見に行くので予習として。
遥か昔の学生時代、筒井康隆新作を心待ちにしていて、単行本は学生には高いし、大学図書館は入れてくれないので、文庫化が一日千秋だったのを覚えている。ゼミの読>>続きを読む
映画館始め。
マンハッタンを舞台としながら、スペイン・フランス合作映画。
アニメというよりはカートゥーンで、文字通りの戯画化。「ライオン・キング:ムファサ」の「超実写化」とは対極的。台詞がなく、登場>>続きを読む
ジャッキー・チェン主演50周年記念作品。
原題「龍馬精神」をネット翻訳にかけても「龍馬の精霊」としか出てこないのだけど、ストーリーからして「スタントマン精神」という意味だと思う。
落ちぶれたスタント>>続きを読む
何でも拳で解決するマ・ソクト刑事の第4作。
1作目を配信で見てから虜になり、封切り時に見てきたのだが、本作は公開期間が短くて見逃した。WOWOWの「犯罪都市」全作放映はありがたい。
第1作にトーンが>>続きを読む
年末podcast番組に溢れていた2024年映画ベスト10のひとつで、Netflixは新作の宣伝をしないので知られていないのがもったいないと評されていた配信作品。
警察署ぐるみの不正に黒人が一人で立>>続きを読む
上村一夫の漫画にあった本郷の菊坂ホテル(菊富士ホテル)と勘違いしていたので戦前の話かと思っていたが、営業停止しているが山の上ホテルは駿河台に現存している。
また、ホテルと題にあるとグランド・ホテル形式>>続きを読む
新春ホラー始め。
とはいえ、四谷怪談要素は薄くて、忠臣蔵要素が濃い。
ほとんどのシーンが、雨か風か雪かの荒天という凄まじい作品。民谷伊右衛門が真面目な義士で、お岩はおきゃんな湯女、伊藤家お梅は聾唖で>>続きを読む
新年映画始めで、紅白の後Wild Turkeyをストレートでチビチビやりつつ見る。
原題は「The Holdovers」で残留者の意味。そのままだね。邦題イメージのドタバタコメディではない。
マサチ>>続きを読む
低予算でそつなく創るブラムハウスホラー、今年見逃した作品をWOWOWで。
ホラーゲームの映画化で、巨大な機械仕掛けのマスコットが襲ってくる。くまのプーさんやレトロなミッキーマウスが、パブリックドメイ>>続きを読む
低予算でそつなく創るブラムハウスホラー、今年見逃した作品をWOWOWで。
プールが人を喰らう話。正確には、プールに潜り込んだ水妖が生贄を求めるホラー。
どことなく「IT イット “それ”が見えたら、>>続きを読む
「ドライブアウェイ・ドールズ」に惹かれて、バディもののロードムービーを配信で。
原題「Due Date」は出産予定日のことで、邦題がストーリーの全てを表わしている。アトランタからロサンゼルスまでの爆>>続きを読む
コーエン兄弟バラ売り、2021年兄「マクベス」に続いての弟イーサン単独監督作品。Drive-Awayとは、車の配送のことで、アメリカは広いので泊まりがけの仕事になる。
プレイボーイと堅物凸凹コンビの>>続きを読む
「地域差別」お馬鹿映画第2弾の関西編。
TVのお国自慢番組・企画は、同時に他県蔑視になりがちだけど、落語の「祇園祭」から「トラック野郎」の食堂乱闘まで、伝統的な馴れ合いのお笑いネタ。その流れにある作品>>続きを読む
ジェイソン・ステイサム主演なので、マッチョのためのマッチョイズム映画だけど、他のアクション作品とは少し毛色が違う。
元特殊部隊エリートのニック・ワイルドは、ラスベガスの便利屋で、マフィアのボスからホテ>>続きを読む
終末シンフォニック・トナカイ粉砕・反キリスト・戦争推進メタルバンドの、2018年前作は、まだ命脈を保っていたレンタルで見た、が、あまりよく覚えていない。それくらいのストレス解消フィンランド映画。
本作>>続きを読む
フォーマル姿の中年女性が高い脚立の上に座って、長いモップで大きな給水塔を磨いている。BGMに「コーリング・ユー」のサビ。
……というイメージを何年も前から持っていたのだけど、本編を見たことがない。予告>>続きを読む
富豪の間に、クル-の間に、もちろん乗客とクルーの間に、ガチガチのヒエラルキーが存在する豪華客船クルーズの旅。船長主催ウエルカムパーティーで、荒天と海賊襲撃のために、下痢便吐瀉物まみれで、難破してしまう>>続きを読む
見ていなかったので、Netflixで。
シリーズ6作目で「ターミネーター2」(1991年)の続編。「3」「4」「新起動/ジェニシス」はなかったことになっている。別時間軸の設定で、ここからは、メキシコ>>続きを読む
娘の復讐を成し遂げた後の新島の物語。
娘を殺した犯人も娘の殺され方も異なり、ストレートな「蛇の道」の続編ではない。しかし、不条理の感覚は「蛇の道」に連なる。
新島は、哀川翔にふさわしく、反社組織枝の>>続きを読む