記録、過去視聴
確か、放送日当日か前日かに東日本大震災が発生し延期になった記憶あり。
アナウンスがあった時から楽しみにしていたので、仕方のないことだったが、いつ放送されるのかとにかく待ち遠しかった。
これまでの映像化より原作の時代に近い設定だったし、戦争の混乱に乗じた諸々の工作もよりリアリティーが感じられた。
関川は、今回初映像化だったのでは?
ただ、上手く映像化しきれていなかったというか、作品にはまっていないように感じられた。原作が長大なので、砂の器の映像化は難易度が高いのだろう。
中谷美紀扮する新聞記者はオリジナルキャラだが、個人的には必要性を感じなかった。男ばかりになるから女性キャラを創作したのか?と当時も思ったが、昭和30〜40年代当時の世相を現代の価値観で推し量るのはどうなのか、疑問に思うところ。無理に現代に寄せた作品づくりは歴史の改竄にならないか、個人的に懸念している。
そして、やはり父親役の加藤嘉さんのインパクトが強すぎて、色々な意味であの映画版を超えるのは難しいなぁと思ってしまった。さらに、時代の流れの中でハンセン病を描くことがタブー視されているのか、そのことも作品に影響しているように感じる。
松本清張は、社会問題を巧みに織り込んだ作風が好きなので、差別やその原因となったことをきちんと描いて欲しい。とはいえ、それは難しいと思うが…。