たろさ

地方紙を買う女〜作家・杉本隆治の推理のたろさのネタバレレビュー・内容・結末

1.5

このレビューはネタバレを含みます

金沢日日新聞に推理小説を連載している作家の杉本隆治(田村正和)のもとに潮田芳子(広末涼子)から杉本の小説が気に入ったので新聞を定期購読したいという手紙が来る。だがそれからすぐに小説が気に入らなくなったので購読を止めたいという旨の手紙が来た。同じ頃、石川県で心中と見られる二人の遺体が見つかる。


潮田芳子が怪しいという導入部はいいとして、そこから先はグダグダ会話劇。会話劇以外ほぼないしその会話自体にも興味を惹かれない。説明セリフがやたらと多いし最後もひたすらベラベラ喋らせる。序盤の田坂(水川あさみ)の「今私が帰るのをじーっと見ています。怖いです。笑っています。微笑んでいます。黒い微笑です」というセリフはあまりにも興ざめ。
杉本と潮田芳子の関係はおそらく原作だともっと探り合いがおもしろくもっと色っぽいものだったと思われるが、テレビ向けにスポイルされてしまったのではないかと思われる。
ちゃんと殺人できたかどうかを地方新聞を購読して確認するという方法は、原作小説が発表された1950年代は気にならなかったが、それをそっくりそのまま現代でやるのは無理がある。1週間足らずで購読を打ち切るのも不自然極まりない。何か理由があって敢えてそうしているのかと思ったが何もなかった。
田村正和は年齢のせいかセリフが苦しそう。

【迷セリフ】
「嘘じゃないよ。ほんまだよ」
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