ルーク大佐

ライン・オブ・デューティ シーズン4のルーク大佐のレビュー・感想・評価

4.2
過去見。シリーズ全作再見中。
シーズン4は前シリーズに匹敵する緊張感とスリルで観客を引きずり回していく。本作も取調べシーンは最高の見せ場である。

このシリーズほど高いクオリティで丁々発止の尋問シーンを描写する刑事ドラマは見たことがない。感情を前面に押し出して相手を屈服させるのではない。あくまで理詰めで攻める。事実を突きつける。

ここがフランスあたりの警察映画・ドラマと異なる。邦画も含めて脚本のレベルが段違いだ。フランス、スペイン、イタリアあたりの作品だと刑事は論理よりも感情や脅し、勢いで容疑者を自白させる。

本シリーズは英国警察の巨大な闇を暴くものだが、作品つくりのコンセプトとしては他国の作品のような論理軽視の尋問シーンを排除しているのだろう。むしろ〝敵国〟フランスあたりのやり方を小馬鹿にしているようにすら感じる。

緻密で残虐で狡猾で事情通の脚本を見るたびに、脚本家は相当に意地悪なタイプだと思ってしまう。そんだけ敵の悪質さと善役の強い正義感を描くことがうまい。傑作。
ルーク大佐

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