三日連続ピザ

セックス・エデュケーション シーズン4の三日連続ピザのレビュー・感想・評価

4.0
おわってしまったーーー!大好きなドラマシリーズだったので残念。
最終章ということもあり、テーマが散逸していたのはドラマとして、まとまりに欠けて見えるかもしれない。ただ、障害者ではなく社会にハードルがあるという話、性的マイノリティと自殺の問題、産後うつの話、いじめの話、トランスジェンダーとカトリックへの信仰心などなど、どれもその一つ一つが大事な問題提起になっていた。本シーズンの1話分で、一つの映画やドラマシリーズが作れるほどだと思う。
こんな大きなテーマを一つのドラマシリーズのワンシーズンにうまく落とし込み、さらに主人公オーティスとヒロインの恋愛まで描いたのは、脚本の妙であるといえる。

本作は、イギリスの小さな村を舞台に、差別や偏見の中で己を保ち、他者への思いやりを広げるヒントを提示してくれる壮大な人間ドラマを描いているコメディだ。
本作によってもたらされた視点によって、差別・偏見への反論の言葉を得た人が世界中にいることだろう。また、インティマシーコーディネーターの存在が広がったのも本作の影響が強いと思う。

2019年にはじまった本作は、作品として、そしてドラマ映画制作の現場への影響をみても、2020年代の分岐点として語られるに相応しい作品だと思う。
三日連続ピザ

三日連続ピザ