このレビューはネタバレを含みます
夫と3歳の息子レインと暮らす、ごく普通の主人公コーラは、休日家族で水遊びに訪れた湖で、近くで音楽を流し、抱き合ってキスをしていたカップルの男性を
、梨をむいていた果物ナイフで背後から衝動的に複数回刺して殺害してしまう。
目撃者多数、コーラ自身も罪を認め、裁判を望まない中で、彼女の犯行動機と、そこに至るまでの過去を刑事と共に明らかにしていく。
1話を観終えたとき、映像の質感、ゆったりとしたテンポ、ほぼBGMのない無音の静けさ、日常感と犯行のショッキングさとのギャップ、全てが完璧に思えた。
しかし、2話・3話で、病弱の妹、親の虐待、トラウマを引き起こすような何かの被害にあったなどの要素から、まだ不明な点は多いにせよ、何となく全体像が見えてしまって(後に製作陣にまんまと騙されていたことに気づくわけだが)、1話ではいいと思ったゆったりとした展開に、冗長さを感じてしまった。
ただ、途中から、このドラマは加害者・被害者遺族・捜査陣の事件後の非日常の中の日常(のようなもの)や、過去のトラウマを詳細に描くドラマなのだと気づき、その後より没入できた。
このジャンルにおいては、総じてフェアな作りの良作だと思う。
