珍獣

ロシアン・ドール:謎のタイムループ シーズン1の珍獣のレビュー・感想・評価

5.0
誕生日に交通事故で死んでしまった主人公・ナディアが、同じ日をひたすら繰り返す、といういわゆるタイムループもののドラマだ。
同じ時間を繰り返す、というのは様々な物語でのいわゆる「型」となっている。
『恋はデ・ジャブ』や『時をかける少女』や『ネイキッド』など素晴らしい映画も数多くある。

だからこそ、正直そこまで期待せずにゆるゆると見始めたのだが、これがすごかった。
めちゃくちゃダメ人間がタイムループするのだ。
数あるタイムループモノの中でも屈指のダメ人間なのだ。

ルール説明ともいえる2話までは、ナディアのダメっぷり、ぶっ飛びっぷりに笑わされた。
死がどんどんギャグとして機能するし、何回繰り返しても良くならない。
そういうコメディドラマなのだと思っていた。

だからこそ、3話目のまさかの展開から一気に引き込まれた。
そして後半からはドラマのジャンルが変わる。
あった(いた)はずなのにそこには無いというシーンが、マジで怖かった。

脚本も演出も細やかで素晴らしい。
ロシアンドールの意味が分かるところも素晴らしかった。
鏡、ゲーム、金貨、誕生日、大量の小道具や全てに意味があるのだ。

人の心の核に迫る、とてもパーソナルな話になるとは思わなかった。
そしてあのラスト!まじであのラストを見ていただきたい!!

シーズン2を製作中らしいのだが、一体どうやってあの続きを見せてくれるのだろうか。
楽しみだ。

1話30分で全8話なので、サクッと見られるのでぜひ。
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