何気なく観はじめたらとても良かった。
愛情表現の少ないシロさんがケンジの為に冷やしておいた桃。シロさんがいない時に見つけたケンジが頬張りながら、“俺って愛されてる”と桃の甘さと幸せを噛み締める。
同性愛者ということを隠していたいシロさん。ケンジは美容室のお客さんにも話してしまう。シロさんは激昂するが、家族の話や恋人の話をするように、“俺だって恋人の話をしたい”とケンジに言われた時のシロさんのとまどい。
大晦日の夜。一人でサッポロ一番味噌ラーメンを食すケンジは、シロさんは必ず帰ってくると分かっているから寂しさは感じない。
ちいさな日常のひとコマが丁寧に描かれていて頷くこと多し。見逃しがちな感情を見事に拾い上げていて、なんとも言えない居心地の良さだった。
天邪鬼のワタル君の存在がスパイスを効かせていてそれも良かった。ワガママ言っちゃう気持ちだったり、それを許す気持ちだったり。
肩肘張らない料理も良かった。