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ストロベリーナイト・サーガのスズメのレビュー・感想・評価

ストロベリーナイト・サーガ(2019年製作のドラマ)
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全体的にチープ過ぎます、なぜ今更リメイクしたのか本当に意味がわかりません。
自分は原作、前作のドラマ共にファンで何回も見返す程でしたが、今作には大変ガッカリ致しました。
前作で竹内結子さんが姫川警部補を演じられると聞いた時、正直少し不安もあったのですが見てみると何も違和感なく、むしろ竹内結子さんで良かったと心から安堵しました、嬉しかったんです。
今回もそんな感じで、1度見てみると変わるかもしれない、食わず嫌いかもしれないと思い見ていましたが、始まり方から何から何まで全てがお粗末です。
ストロベリーナイトが持つ重々しさはどこへ行ってしまったのでしょうか。
絶望の淵を足掻いて足掻いて、小さな光をやっとの思いで見つけてそれを掴み取る、そういうのがストロベリーナイトだと思っていました。
なんですかこれ、ただの逆ハーレムですか。
キャストの皆さんは全然嫌いじゃない、むしろ好きな方々ばかりです。
ですが違うんです。
二階堂ふみさんはどうやったってやっぱり姫川警部補ではない。
ヒールこつこつ鳴らして、長い髪をかきあげながら涼しい顔して、でも誰よりも傷ついてボロボロで、今にも倒れそうなところをちゃんと1人で踏ん張って、しっかり地に足つけて前だけを見据えて生きる。
そんな彼女の強さはどこへ行ってしまったのでしょうか。
ふみさんの演じるそれは、みんなに支えられてやっと立ってる生まれたての子鹿のよう。
違う、これは私の好きなストロベリーナイトではありません。
それに演出もだいぶ堕ちましたよね。
前作は登場人物たちの心情を目線や息遣いや風景、天気などで表し、余計な言葉は言わないのが印象的でしたが、今作はもう見事に何から何まで全部言ってしまう。
視聴者が「この人物は今何を思ってるんだろう」とか考える暇もなく答えを言われてしまうので本当に腹が立ちます。
「考える」という視聴者の特権を奪わないでいただきたい。
だから安っぽく見えるんですかね。
悲しかったら泣けばいい、ムカついたら怒ればいい、叫びたかったら叫べばいい。
そんな短絡的な演出では視聴者の心を動かすのってなかなか難しいと思います。
泣き叫びたいけどぐっと堪えたり、喚き散らしたいところを一旦落ち着けて笑顔で皮肉ってみたり、そういう人間の醜い、汚いところをもっと見せて欲しいです。
前作の話を持ち出すのは良くないとわかってはいますが、あまりに酷い出来に言わずにはいられませんでした。
弱い、全てが弱すぎます。
扱っている題材が重いだけに、ドラマの仕上がりがこんなに薄っぺらじゃあ何も届かないでしょう?
もっと心を抉ってくださいよ、心の芯をへし折られるほどの衝撃をくださいよ。
制作サイドは何を伝えたかったんですか、教えてくださいよ、ぶつけてくださいよ、私たちに。
本当に、残念です。
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