まりぽっさ

花たちの戦い ~宮廷残酷史~のまりぽっさのレビュー・感想・評価

花たちの戦い ~宮廷残酷史~(2013年製作のドラマ)
3.0
終始、このドラマにある違和感は何かとモヤモヤしていたのだけれど、同作家の前作が『仁粹大妃』だと知って妙に納得してしまった。
「何故そこわざわざ史実と異なる展開や描写にしたのだろう?」とか、時系列を無視した呼称とか、時として奥歯に何かが詰まっているような作風は相変わらず。

ただ、のめり込むような面白さは無いのだけれど、特筆すべき見どころは複数挙げられる。
●悪人として知られた人物などを主役に据えた場合、大なり小なり美化して描写されがちだが、本作にはそれが無い。どこまでも、悪い女を、悪い女のままに描いている。
●同様に、強情な息子嫁(姜嬪)も、どこまでも強情に描き、仁祖の怒りがいかにして増幅していったか、説得力を持たせた。(とは言え、エピソードの殆どは史実)
●多くの場合、張禧嬪を描いた作品のなかで彼女の後盾として登場する程度に描写される莊烈王后は、そのキャラクターがあまり知られていないが、本作ではとことん戦わせて、新たな莊烈王后像を誕生させた。



(仁祖を少々美化してまで)どこまでも女たちに焦点を当てた結果、ドラマの副題『花たちの戦争』が途端に説得力を増す。
最終的には、さほど悪くなかったな、という印象に落ち着いて、あれ、そんなはずではなかったのだけど😂
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