ENDO

トゥルー・ディテクティブ ナイト・カントリーのENDOのレビュー・感想・評価

4.0
短絡的に女バディモノにしない語り口に唸る。極夜の北極圏に程近いアラスカ州エリスを舞台に起こる謎の集団凍死事件。宗教画のような構図の死体。意味のないジャンプ・スケアの多用とは対象的に環境汚染と資本主義への警鐘がねじ込まれる歪な構成。
有能だが人を顧みないフォスターと母の死のトラウマを隠して生きる武骨なエヴァンジェリン(伝導者)役のレイス、2人の女は自立しているが情緒は常に揺らいでいる。セックスも一方的だ。断絶した人間。事件以上に彼女たちの再生を描くことに焦点が絞られる。スピリチュアルな回答。事後、失った者は残りの人生を如何に生きるのか。余生ではなく生として。ピート(フィン・ベネット)は父と常に向き合わねばならないだろう。あと隠居して、狩猟、漁撈、屠殺まで自給自足で暮らす元教授であるフィオナ・ショウの頼もしい存在感。先住民たちへのリスペクト。だからこそレイスの存在が光る。
浚渫船(しゅんせつせん)読めませんでした。
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