つるつるの壺

トゥルー・ディテクティブ ナイト・カントリーのつるつるの壺のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

永久凍土から絶滅した生物のDNAを採取してがん治療薬の開発を進める研究機関で起こった大量殺人事件とオカルト要素を組み合わせた風呂敷の広げ方に序盤は興味津々だったが、終わりが近づくにつれどんどん尻すぼみになっていった感は否めず。

ガン治療薬の開発という大義名分のもとに足元にいる人間の犠牲(社会的弱者である女性や子供)を厭わなかった者たちが、自分たちの足元に置いていた清掃員の女性たちに復讐されるという点では上手く繋がっていると思うが、序盤の期待感を鑑みると理解は出来ても納得は出来ず。

ダンバースは息子、ナヴァロは母親を失くしており、何度も死者が現れて生きているものはその引力に引かれていく。それらは何かがトリガーとして発動することもあれば、あくびやくしゃみの様に何の前触れもなく突然訪れることもある。喪失を経験した人なら分かると思う。こういった描写がどれほど物語やキャラクターと有機的に絡んでいるのかというと、そこはどうだろう。

主演二人の存在感はあったと思う。ジョディ―・フォスターが演じるダンバースは部下の私生活を破壊することも厭わず、街の男に手を出し過ぎて色んな人から嫌われている結構嫌な奴を上手く演じていたし、ナヴァロ役のカリー・レイスはなんと元ボクサー。どうりでガタイが良いわけだ。こちらも腕っぷしは強いがPTSDを抱え、死者の引力に引かれ続け煩悶するキャラクターを見事に体現していた。

ネタが分かってしまうと多少のガッカリ感はあったが、序盤は本当に楽しんだ。