脚本、演出、映像、演技、音楽...全てが本当に素晴らしい!
理不尽な世の中で、人生にやるせなさを感じながらも懸命に前を向いて生きる人々の姿がとても丁寧に描かれていて、人と人との温かい繋がりや、主人公の2人を始めとする登場人物の言葉に何度も胸が熱くなり、終盤は毎話気付くとじんわり涙が溢れていました。
「人生は捨てたものじゃないよ。」と背中を押してもらっているようでした。
IUちゃんは、本業が歌手とは思えない演技で、人の優しさに触れ、孤独な心の溝が少しずつ埋まっていく過程を繊細に演じていました。
イ・ソンギュンさんは、「パラサイト」の金持ちパク一家のお父さんとは真逆の役柄で、誰にも言えない苦悩を内に秘めながら、IUちゃん演じるジアンに誠実にそっと寄り添う中年おじさんを見事に体現していました。
主人公の2人だけでなく、俳優陣の演技は現実味があって"凄い"の一言に尽きます。
韓国では評価が高かったそうですが、きっと今の日本では"暗い"・"重い"と敬遠されてしまうのだろうなと思うと、文化や社会構造が違えども、このような作品を生み出し、共感できる人たちがたくさんいることを少し羨ましく思います。
多くの方に観てもらいたいヒューマンドラマの名作です。