愛知一中予科練総決起事件を基にしたドラマとのこと。戦争を扱った物語だけど殺戮や破壊のシーンは全くない。
それなのに戦争のやるせなさが痛いほど伝わってきた。
池松壮亮クンの演技とセリフにやられた。
喜怒哀楽を演じるのが役者さんな気がするけど、池松壮亮クンは弱さとか情けなさとかやるせなさを表現するのがとっても上手な役者さんな気がして好き。
しかも当時何歳だろう?
中野太賀クンも含め儚くも素晴らしい青春が描き出されていたと思った。
池松壮亮さんはじめ、刺さった言葉のメモなのである意味ネタバレです!
思うとることをすぐ口に出すのはやめろ
思うとることを口に出したりはしとらんよ
口から出るのは戦争の話しばっかりだがや
他のことを話す情熱を奪われとるんだ
本心なんか関係ない
個人的な本心など
何の役にも立たないと教えたのは
学校じゃないか
僕は行くよ
友達を裏切りたくないでね
それに
僕が行かなければ
お父さんが学校で
非国民になってまうだろ
そして堂々と生きて欲しい
私もまた生きるつもりだ
人間は何のために生まれてきたのか
その答えを探すつもりでいる
我が友よ
あの日 私は考えるのをやめた
だけどそれは間違いだった
考えを止めること
それこそが人間の敗北なのだ
だが友よ
私はまだ諦めてはいない
戦争をしているのは人間で
戦場にいるのも人間ならば
どこにいても どこに行こうと
私は戦いの最中にも
崇高な芸術を
描き出すことが出来るだろう
そうするつもりだ
私は人の心に向かって
心の目を向けようと思う
銃や剣ではなく
心眼を向けるのだ
そしてペンを取るのだ 友よ
私は戦場で人と殺し合うのではなく
人が生きるための魂を
存分に描き出そうと思う
友よ
いつか私が戦場で見た人間の魂を描き
それを君に読ませたい
友よ
そんな日が早晩やってくることを
願わずにはいられない
早くこんなつまらない戦争が
終わることを祈らずにはいられない
友よ
それまでさらばだ
お母さん
寂しくさせることをお許しください
貴女に 永久に 幸あれ
私に学問があれば
あの子の気持ちを
もっと早う理解できたんですかね
私に学問があれば
あの子を死なせずにすんだんですかね
いえ
僕たちは学校で死ねと教わったんです
学問がなかったのは この国です
巷に雨の降る如く
我の心に涙降る
かくも心に滲み入る
この悲しみはなにやらん