岩本

ロキ シーズン1の岩本のネタバレレビュー・内容・結末

ロキ シーズン1(2021年製作のドラマ)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

面白かったです!
"なんにでもなれる"ロキだからこそ、他作品より自由度が高く、全てにおいて実験的な印象を受けた…というのが一番の感想。
(以下長文)
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ロキがこれまでどんな時も自分の目的/生存のために尽くすことが出来たのは、"悪戯の神"であること以上に、これまで他人からの愛を信じきれず1人きりだと思っていたからだろう。 (しかし、心のどこかでは"孤独は嫌だ"とも思っているのが人間らしい)

そんな彼が、メビウスとの友情やシルヴィを通して"自分や他人を愛すること"を知ってしまい、それが今後にどう影響するのかが気になるところ。

また本作は全て「信じる」事が成長する鍵となったのに、世界の時間軸からは「信じない、裏切り続けることがお前の駒としての役割なのだ」と運命を押し付けられているのがあまりにもしんどくて、シンプソンズロキの「アァ~~~~~~~~」という声をリアルに出した。視聴時はまだ梅雨で窓締め切っててよかった。

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表では「私は全然大丈夫だが?」という顔をしながら、裏ではメンタルベコベコになったり…些細なことでも競走しようと見栄を張り、目先のおもちゃについ目を奪われてツメが甘くなったり…今回もお酒ガブガブ飲んじゃったし………1500年以上生きてるけど、まるで純粋無垢な5歳で見てて可愛い。自己肯定感が低いから、誰かにかまって欲しい、誰かに自分を認めてもらいたくてしょうがない。この世界に自分は必要なんだと誰かに言って欲しいんだろう。可愛い。

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トムも色んなメディアで「ロキには色んな面があって、毎回新しい発見がある」と言っていたけど、ロキのアイデンティティはやっぱり「裏切ること」「ステレオタイプにハマらず多面的で、何をしでかすかわからないこと」だと思うので、逆に言えば何をやってもそれは「我々が知らなかったロキの新しい一面」になりえるし、「ロキがまた我々を裏切ってくれた」になり得るのかなと。

賛否両論はあるだろうけど、これだけ多くの人が彼の行動に"裏切られた"っていうことなのかもしれない。
岩本

岩本