Maki

ワンダヴィジョンのMakiのレビュー・感想・評価

ワンダヴィジョン(2021年製作のドラマ)
3.8
原題:WandaVision
公開:2021年
鑑賞:Disney+




▼ ▼ ▼ ネタバレあり ▼ ▼ ▼




● よかったところ
・MCU映画に劣らぬ映像クオリティに感心。ふだん、DCEUのドラマ映像(CG処理)に慣れていると、MCUドラマの優秀さに驚く。特にヘックス境界線の禍禍しさ、暴走拡大される恐怖もしっかり伝わった

・謎が謎を呼ぶシットコム。1話から中盤過ぎまで、笑いつつしんみりしつつ、どんより根付く闇に慄く。なんだこれは?とどきどきわくわくさせてくれて。そのシットコムにワンダの辛い記憶、家族やヴィジョンへの想いがこめられていたとわかるのは、ぐっときた

・ウー捜査官やダーシーの合流。ふたりとも新鮮でイイ味だしていた。ダーシーは以前から人気キャラだったけれど、ジミーは『アントマン』での単なる面白キャラかと軽視してたので、ごめんなさい

・『エージェント・オブ・シールド』でも争奪戦が繰り広げられた魔導書ダークホールドの登場におおっ!と喜ぶ。でもシリーズの融合はしないよね。わかってます。

● もどかしいところ
どれもこれも私の知識不足や考察不足もあると想いますが

・詮索好きの隣人アグネスの正体はアガサ・ハークネスで黒幕だった!と明かされても。。。 「アガサ?誰?」となり。調べてわかったものの最後まで彼女の重要性や目的、言動にぴんとこないままだった。謎が謎を呼ぶ段階の面白さを、明かされた真実のインパクトが上回らず。「あ…うん。そうなんだ」くらいの感覚に落ちついてしまったのが残念

・キャプテン・モニカ覚醒!って一大事のはずなのにしっかり描かれず。彼女自身も周囲もあんまり驚いている様子がないのはどうしてなんだろう

・終盤、ウー捜査官やダーシーの影が薄くなっちゃった。最終回でウーが「クワンティコの親友が~」「彼なら早く来る~」と意味深な台詞で呼んだクリフとやらが、ただのFBI応援要員だったのも拍子抜け。もしかしたらポール・ベタニーが「まさかの共演」と語っていた大物ゲストかなと期待したのにー(どうやらその大物はベタニー自身=白ヴィジョンのことだったらしい)

・ある意味、最大の衝撃だった「X-MEN版クイックシルバー=ピエトロ・マキシモフ」参戦。じつは住民の青年を変身させて演じさせていただけ…なんだよね? 「詮索好き」なファンを逆手にとったの?でも無駄遣いにがっかり

・ワンダがウエストビューで理想の家族や暮らしを実体化させた想いはわかった。わかったけれども、彼女の苦渋の選択(ヴィジョンと双子の消滅)に至るまでに、巻き添えを喰らって操り人形化され苦しみ続けたウエストビュー住民を考えると、深く同情する気になれない。それも彼女が自ら乗り越えたというよりもアガサに追い込まれた末の決断。邪な目的でワンダの魔力を奪おうとしたアガサが、住民にとって救世主になる皮肉な顛末。

●最後に
 ドラマ単体としてはすっきりしない終わり方だったが、その不安定さも含めて大きな物語の一段目(スカーレット・ウィッチ覚醒パートと『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス』への動線)と信じて、今後の展開を待ちます
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