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サバイバー 60日間の大統領のhorryのレビュー・感想・評価

サバイバー 60日間の大統領(2019年製作のドラマ)
4.5
めちゃくちゃ面白くてイッキ見でした。
国会議事堂がテロにあい、大統領や国会議員が亡くなってしまう。大統領の権限代行を務めることになったのは、「政治」には疎い科学者ーー

アメリカのドラマのリメイクということですが、憲法などが違うので、かなり変更されているのではないかと思います。
法の解釈(権限代行とは何ができるのか、とか)から始まって、北朝鮮などとの込み入った関係、政治への不満から軍事クーデターが起こりかねない状況、無所属の代行と与党と野党の力関係など、次から次へと問題が勃発。
大統領権限代行(チ・ジニ)は、政治的な駆け引きには応じない原則主義者で、青瓦台の秘書たちから「こちらで全部やるから、あなたは何もしなくていい」みたいに言われる所からスタート。
誠実な人柄と大胆な手腕で、スタッフとの信頼関係を築いていくのですが、その「いい人」っぷりがとても真っ当。「いい人」だからこそ、複雑に問題が入り組む政治に悩むのですが、この作品のすごいところは、ピークを「差別禁止法」に持ってきたところ。
日本にも包括的な差別禁止法はありませんが、韓国でも何度も上程されても実現しておらず、その原因をこのドラマでは性的指向が入ることによる保守派の反対としています。

この「差別禁止法」の話題は作品の終盤に出てくるのですが、それまで、かなり大掛かりなテロや、代行の政治生命をかけた決断などがあったのに、この法案が代行の将来を決めるものと位置づけられていることに感動しました。
「差別禁止法」をめぐってレズビアン女性とやり取りするシーンでは、代行が手厳しく叱責されているのも印象的でした。

代行を「政治」的に引っ張っていくのが秘書室のソン・ソック。ソンソック、すごくいい!「D.P.」「私の解放日誌」もいいですけど、こちらではクールかつ熱血漢、そして、報道官イ・ムセンとのバディな雰囲気が楽しめます。報道官はとぼけた感じなのですが、脱北者という設定で深みもありました。

青瓦台には、秘書室長のホン・ジュノ、代行の秘書カン・ハンナもいて、安定感あり。

そして、テロの黒幕を追う国家情報院は、強いカン・ハンナ(ウェディングドレスのシーンとアクションシーンの両方があるのが良かった)とキム・ジュホン、カン・ハンナに思いを寄せる後輩チョン・ソンウ。
こちらのチームも面白かったです。
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