オブラートに包まず言うとドエロじゃん。あえてけっこう古典的なサスペンスを現代的にやるというか、その味持つ典型を崩さぬまま徹底的に精神が人を追いやる様への映像挑戦が伺えてわたしはその姿勢は好きです。精神という概念を視覚構造化するのは難しいと思うし、対照的なミステリアスを理解するには双方の思考を二度やらねばいかんので、そこをどう処理するか技術を問われるし。『お、おれのイムシワンくんが…』と終始狼狽えた原因である突如現れたとんでもない美人のお兄さんが全然どういう人なのかわからないまま髪をかきあげた瞬間世界の反対側で嵐が巻き起こりました。魔性の304号室はバタフライエフェクト属性ですよ。端正な姿は神秘的、しかし近付かれると高身長もあって威圧的。全然手も出さないしむしろ行動一つ一つの面だけ見ればまともなのに雰囲気と佇まいだけがただただセクシャルなせいで全てがアウトな人に見える…成人男性に「かわいい」とこぼすだけでそれはもうアウトになってしまうんだけどなんなの…？はわ…と口押さえながら見てた。過度な直接接触はせず距離をとり舐めるように絡み付くように眺める視線だけで自分の跡を残していく様は、人類独自のコミュニケーション方法ともいえるゲイズグルーミングの悪用を彷彿とさせます。住人が他者へ攻撃する奴自尊心を奪う奴不愉快極まりない奴で自己解離は進むわ上司はホモソーシャルだわ彼女は無関心と地獄のおせちなのでラブで舵を切ってほしいのにそのラブから妖しく不穏な性的倒錯が漏れててなんか悪いことしたか？とこの世の全部の罪を犯した気分になる…めちゃくちゃ不健全な方面に磨きがかかってきて焦った。極め人による同担拒否見たことあるか？わたしはある。だ、誰なの…と胸を押さえてたらその方はイドンウクさんですと教えていただいて。初めて見たものを親と認知するので毎話5億点を更新し続けるイドンウク氏のせいでそのあと見た『トッケビ』でもお前嘘いうてるなと猜疑心が拭えず他作品の彼を探して見ても物足りなくなってしまって責任とってほし…今も全然大丈夫じゃないです(大地に横たわる絵文字）わたしはこの人が会話始めは時候の挨拶から入るとこが地味に好きなんだ。ここだけ抜きとりゃ健全要素に思えるでしょうがこの人から発せられた瞬間に不健全になるからダメです。突然別の物語性が生まれてしまうだろ。
『パラサイト』で知った半地下、今作で知った受験生の考試院（ただし受験生は住んでいない）、身の丈に合った体系が及ぼす社会的な影響、それを大して気にしない何故なら気にしなくていい特権階級だからという格差…どちらも家という安らぎの空間で起こることであり人の追い詰め方がわかってますねという気持ちです。解決ではなく一早い終息へ向かうため物事を善悪で二分化し不正や不均衡に目を瞑り人は帰属意識を求めますから。何が怖いって彼女のスマホとわたしの同じなんじゃねえかと思うんだけど(イムシワンくんの方も疑ってる) プリセットの壁紙がわたしと全く一緒だったんだけどいや擬似体験求めてねえから他人事でいさせてくれフィクションと現実がこういった形で境目をなくしてくるとマジで最悪だなガハハ！
