ひばさんの映画レビュー・感想・評価

ひば

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暗殺の森(1970年製作の映画)

4.4

映像はすごくかっこいいけどプラトンの話が出るまでいまいち話がよくわからなくて、『華氏451度』は"洞窟の比喩"にベースがあると思い出してからなるほど…?となり、見終わってからもなんかもう一回見たいなと>>続きを読む

地球が壊れる前に(2016年製作の映画)

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〈4/22はアースデイ〉
環境問題についてレオナルドディカプリオが政治に重点をおき直接はたらきかける、これまでにないアプローチだったと思う。2016年製作。その後世界はいいことも悪いこともあった。20
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サメと遊ぶ伝説のダイバー(2021年製作の映画)

5.0

〈4/22はアースデイ〉
『ジョーズ』が現実世界にもたらした虐殺を知っているだろうか。ピーターベンチリーは伝説のダイバーことテイラー夫婦に触発され『ジョーズ』を執筆し夫婦も撮影に協力したが、後に執筆へ
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PHANTOM/ユリョンと呼ばれたスパイ(2022年製作の映画)

4.3

沈黙が明確な答えになる映画。ユリョン(亡霊)を追い続ける男たちと日本という国。隣の人の手を握る市民たち。韓国が得意な、どこまでいっても市民映画の良作。けっこう変なバランスだなと思うんだけど、キャラ一人>>続きを読む

セイント・フランシス(2019年製作の映画)

4.6

言えばいいじゃん、言ってもよくない?って何度も思った時点で自分なんもわかってないんだろうなと自分に呆れました。色んな勇気を無下にしてきたんだろうな。血がずっと流れてる。己をつくり一番親しいものがずっと>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.4

コップに半分水が入ってたとして、「半分しかない」か「半分もある」かみたいな。人そのものに個人の追憶と郷愁を同時に委ねるのは難しくない?記憶って体まるごとの体験で覚えるものだから再会場所が違ったらきっと>>続きを読む

オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

4.5

始まってすぐ来なきゃよかった思った、オープニング怖すぎて目と耳を閉じてました。あぁ手腕がありますねと…これあのオマージュやるつもりだろ!と怯えてたらそれを上回る恐怖だった。オープニングが一番怖かったで>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

元々見る気がなかったけど明日行こうや誘われたので大急ぎで過去ノートを取り出してお前が理解できなきゃ泣かれるぞの精神で化学と世界史を勉強し直した相対性理論からやり直し『アルフ』見てる場合じゃない。そもそ>>続きを読む

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

4.2

初めて見た。今の日本作品ってこのラスト10分くらいだけをぶったぎってここの視点や関係性だけを薄く引き伸ばしたようなものばかりだよなぁという偏見を創造しましたまぁどこの国でも同じ傾向かもしれんが。反戦思>>続きを読む

茲山魚譜 チャサンオボ(2019年製作の映画)

4.5

"学ぶだけで自ら考えねば道理が理解できず、考えるだけで学ばなければ危険である"それはつまり考えと学びがフィードバックし合うものでなければならないということだ。言葉と事物を練り合わせることだ。学ぶことは>>続きを読む

Dr. Cheon and Lost Talisman(英題)(2022年製作の映画)

4.0

一体いつ公開するんだと待ちきれなくて買っちまったぜ円盤をよ。「すごおい綺麗~~~~」口から出ちゃったねカンドンウォン様と観客との慣例コール&レスポンスです。英語字幕で見たからまた見たら書き直すけど、映>>続きを読む

犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

4.2

罪人頭を叩いてみれば細胞破壊の音がする(都々逸) イジュニョク氏がハンサムすぎて出る度拍手一礼の気持ち。ハンサム界隈のハンサムキングのことを考えています。元々俳優本人が善良だからな…ソドンジェなのに…>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.2

見ながら人間は上下左右前後どれから認知するんだろうとずっと考えてた。また認知を獲得する順番は上→下(反対)なのか、上→それ以外(中間など)→下とシームレスなのか。虫は光の方向を"上"と思っているらしい>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.8

「なぁ、50年経ってもまだつらいか」と何も言わないエリセに声をかけるような気持ちだ。流れる川にたまっていく土砂をぼんやり見ている、なのに"それでもあなたに出会ってしまったから"と堰になる瞬間がある。わ>>続きを読む

ソウルメイト(2023年製作の映画)

4.2

友達に法的拘束力はない。会えばすべてを忘れられる、すべてが終わっても美しい思い出が残る、この感情をどう後生に残せるだろう。この物語も画一的な額縁に収められ人々に感動を与える一方で、一人一人にぼやけた存>>続きを読む

ボビ・ワイン:ゲットー・プレジデント(2022年製作の映画)

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いつの間に映画が撮られアカデミー賞に入っていた。わたしがボビワイン氏を知ったのは2020年に見たドキュメンタリーだ。なんか…世界でも知っとくか…とちょうど勉強し始めた頃のノート1冊目に彼の記録が残って>>続きを読む

愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

4.2

昔聞いた子供へのグリーフケアの言葉を最近何度も思い出す。悲しみはあなたを波のように何度も襲うだろう、そんなときは抵抗せずに波に身を委ねダンスをしよう、そして波が引いた時砂浜には大切な人との美しい思い出>>続きを読む

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

4.5

オームちゃんが元気ならそれでいいです。気高く素直な子だ、どんな相手でも対話しようとするところがすきだ。やっぱ帝王学とかやってそうだしそこが強いのかな…上から降ってきた避けられないもんを黙って背負ってよ>>続きを読む

砂漠の星(2022年製作の映画)

4.0

サッカーができるのは今日まで。引っ越す子供のボールと共にチームメイトもいなくなる。環境問題と言われると自分の高さの目線の情景が思い浮かぶだろうが、常に子供の顔と乾いた足元を映す。わたしたちはこんな音が>>続きを読む

NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)

4.2

"侵入"の脅威を描きながら外力ではなく内側から崩壊していく。フィリピン人の民間療法ってそれオリエンタリズムじゃない?という直感的思考も"侵入者"側の視点を最初から混ぜているので、目的は不明だが感情は伝>>続きを読む

ホーム・アローン(1990年製作の映画)

5.0

見返したら泥棒と実際戦う時間は少なくて、不在により家族という存在を見つめ直すこと、幸せ満ちる町を一人さ迷う孤独、理想的な地域コミュニティの有り様、大人が抱える問題とそれを大人同士でケアすること(家族を>>続きを読む

宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました(2022年製作の映画)

4.6

闇夜、軍事境界線での一悶着。「この宝くじはこっち側にあったから俺らのもんだ」「お前の国じゃ換金できないだろ」『JSA』から20年、悲劇の境界をコメディ一点に強くもっていけるその大胆さに心打たれる。宝く>>続きを読む

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

4.5

とても面白く怖かったです。まさにドラッグの極限値のようでそれぞれがそれぞれに孤独になっていく。助手席に座ったようとはい言えて妙で、どうかしてる自分をちょっと俯瞰できることに取りつかれるのが恐ろしい。物>>続きを読む

The Mission(原題)(2023年製作の映画)

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北センチネル島は2018年また有名になった。"サタンの最後の砦"に宣教師が挑み殺されたからだ。この島を検索したとき表れる写真が語ることは、外部からの切り取りでしかないことを忘れてはならない。この島は我>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.3

大量生産消費の仕組みの途上で誰かが踏みしめた道の跡。権力欲と暴力に満ちた時代でさえ誰もが優しく見つめ尊ぶような夢があったはず。あたたかくやわく優しく植物を摘み花を活け牛に触れるその手はうつつ感へ誘う。>>続きを読む

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

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これはAP通信がピュリツァー賞をとった報道だ。マリウポリの産科病院が空爆を受けたニュースを知っている人は多いと思う。その映像を撮影し電波を探し決死の脱出をはかったAP通信の記者だ。彼はその間状況もわか>>続きを読む

ファミリー・ディナー(2022年製作の映画)

4.0

教育は食に身近故に食に対する恐れや忌避感が植え付けられやすい。これは共に食卓を囲み原罪を分かち合う贖罪の儀式なのかもしれない。だからといって罪は減るわけではないし今日も明日も生きるため食事は続くわけだ>>続きを読む

毒戦 BELIEVER 2(2023年製作の映画)

3.8

ハレルヤセッキ!!
ハンヒョジュ氏とスンウォン氏の傾き具合すごくて調整したかった、現神プレデターに脊髄抜きにされてぐらんぐらんでしたよ二人。腰と首を痛めませぬよう…前作でウォノとラクの関係性にグッと来
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マーベルズ(2023年製作の映画)

4.2

女性ヒーローの必要性を証明した後は特に深い理由はなく女同士ハチャメチャ作品数(『チャーリーズエンジェル』系)が増えればいいと思っていたのでいや大問題ではあるがわたしはこれでいい。話運びは初期のMCUを>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.3

わたしはけっこうすきだな。"敗戦直後に作られたプロパガンダ作品"という体だったらもっとすっきり飲み込めたかも。『プロジェクトX』のノリで。なんか、今でいう反戦の認識ってじっくり時間をかけて同じ経験をし>>続きを読む

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

4.2

以前ミリタリー番組を見ていたとき、冬戦争でフィンランド兵の記章みたいなやつにSISUってでかく縫い付けられてたのを思い出して興味を持った作品。90分映画なのに細かい章分けに笑ってしまうし章タイトルフォ>>続きを読む

ブラックサン(2023年製作の映画)

4.2

こういうのすき。布信仰の方ですか?濃淡厚み長さ生地透け感そうなんです布って100種あるんですタイプの映画。あとこれが一番の収穫なんですが修道女(厳密には違うけど)×女の子が現代音楽でペアダンスするシー>>続きを読む

伯爵(2023年製作の映画)

4.3

これすき。なんか◯◯っぽいの出てきたな思ったらほんとに◯◯だった、の下劣さに笑ってしまった。笑ったけど、こういう風にすぐ近くに独裁者は生まれ滅びまた生まれを繰り返すのだな。殺人より人を強欲にする才に秀>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.3

血で血を買う。感想云々の前に達成感のほうがでかい、今は立っても座っても疲れ果ててる、戦いに来たんじゃないんだよ。内容はけっこう白人加害者の被害者目線寄りだったことにちょっと驚き。オセージ族が被った大破>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

5.0

噛んでも噛んでもギャレスの味がする…………ありがてえ…………余韻を啜っても残り味がする………『モンスターズ/地球外生命体』がすきな人間には天国でした。そりゃアジア全般どうなんだとは思いますけどもそれで>>続きを読む

バレリーナ(2023年製作の映画)

4.3

言いたいのはスタイリッシュなアクションではなく純度100%の女の復讐なのであっさりしていてよかったと思う。女を傷付けた側が「(俺が)死ぬほどのことしてないぞ」って言うのもすごくいい。カット一場面一場面>>続きを読む

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