X-ファイル シーズン7の3の情報・感想・評価

エピソード03
ハングリー
拍手:2回
あらすじ
深夜のハンバーガースタンドを訪れた客が変死体となって発見された。その頭蓋骨からは、脳みそが吸い取られたように無くなっていた。
コメント2件
HalloweenGirl

HalloweenGirl

いつもと違う視点、恐怖と哀しみが同居するモンスター、そして静かな絶望と救いのなさ―― 観終わった後、言葉が出なくなるほど胸に刺さる物語だった。 👁️モンスター=主人公という異色の構成 この回は、モルダーでもスカリーでもない、モンスター=ロブ・ロバーツの視点で描かれている。 私たちは彼の目を通して世界を見る。 そして、彼がどれほど「普通でいたかったか」、どれほど「飢えと本能に苦しんでいたか」を知る。 彼は人を殺す。脳を喰らう。それは明らかに“悪”だ。 でも、観ているうちに気づいてしまう。 「彼は“怪物”である前に、孤独な存在だった。」 🧠制御不能の欲望と理性の崩壊 ロブの葛藤は、人間のそれとそう変わらない。 飢えを薬で抑えようとするけれど、失敗する。 自助グループに参加しても、救われない。 ラインハート博士の優しさにも、もう届かない。 最も印象的だったのは、自分の正体を隠すために顔や歯を偽り、耳を接着していたという“擬態”の描写。 彼が人間に近づこうとすればするほど、自分が“異物”であることを思い知らされていく―― その様子が、あまりにも哀しい。 ラストシーンの絶望 そして迎えるラスト。 ラインハート博士が「撃たないで」と願いながらも、 ロブはモルダーに向かって突進し、撃たれる。 彼の最期の言葉は、 「I can't be something I'm not.(僕は、自分じゃない何かにはなれない)」 それは、“人間になりたかった”という夢の終わりだった。 普通の人生を歩むことが許されなかった、哀しきモンスターの最後の叫び。 🍔印象的なオープニング 静まり返ったドライブスルー、 声だけが聞こえるスピーカー、 そしてフードの窓口に誰もいないという恐怖。 ここだけで、Xファイルの異常な日常、得体の知れない不気味さが完璧に演出されていた。 “見せない恐怖”で、視聴者を一気に物語へ引きずり込むオープニングは、まさに秀逸。 🖤総評: 『Hungry』は、 単なるホラーではない。 これは「なれないものに憧れる者の悲劇」であり、 「自分の中の怪物と戦うことの苦しさ」を描いた傑作だ。 Xファイルが好きな理由はたくさんあるけれど、 このエピソードのような、心をえぐる人間ドラマがあるから、 何年経っても忘れられない。
tai

tai

ラッキーボーイ🍔 金曜のバッジ 肉食
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