豆腐屋さん

悪との距離の豆腐屋さんのレビュー・感想・評価

悪との距離(2019年製作のドラマ)
3.9
レッテルが貼られると人を正しく判断できなくなる。

無差別殺人を起こした加害者家族を軸に、被害者、弁護士、精神病患者、精神科医とその家族たちを描いた本作

そしてその中で「メディア」「世論」を絡ませ現代の問題を炙り出していた

加害者の事情を報道しないメディア、怒りを加害者家族にしか向けることができない被害者家族、弁護士として正義を貫くことで家族も背負うことになる世のバッシング。
一つの大きな事件が起こるとそこから歪んでいく事実

本作を見ようと思ったきっかけがお父さんがお母さんを殺害し加害者家族であり被害者家族である息子のインタビューだった。
彼はお父さんが捕まった次の日から友達がいなくなり、殺人犯の息子と社会に出ても後ろ指をさされながら生きてきたという。

これは深刻な問題であると思う。
犯人と家族は同じ人間ではない。こんな当たり前のことはわかっているがこの怒りを悲しみを加害者家族にしか向けることができないのもまた事実。
お互いを「理解」することがこんなにも難しいことだとは。

世論に煽られ真実が闇に葬られることがどれだけ罪なのか
それぞれの目線で描いてるからこそ「真実」の重要性を感じれた

オープニングも秀逸で台湾ドラマに興味が湧く一作品でした