ドルマゲドン

本陣殺人事件のドルマゲドンのネタバレレビュー・内容・結末

本陣殺人事件(1977年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

三話でちゃんとまとまっていて丁度良かった。

ちょっと気になったのが何点か。殺人の動機が、嫁が自分より前に付き合っていた男がいたからというのが、何とも昭和だなと。ただ、それだけじゃなく、好きだった母親も叔父と不倫していて、唯一信じたかった嫁にも裏切られたかららしい。いくら、由緒ある本陣の家だとしても令和の人間には理解しがたい動機だった。それに、「一柳家の呪い」が犯人ですと言うのなら、その「呪い」をもう少し丁寧に書いてほしかった。なくなった前の当主が狂ったあげく死んだというだけだと呪いというには弱すぎると感じた。もっとドロドロしたのを期待してただけに。

それでも、ふつうにトリックは面白くてよかった。それに、ラストシーンの悶え死ぬ三郎を抱える母・糸子、夕日の影になって黒い人影として写る鈴子の描写が、本陣として隆盛を極めた一柳家の凋落と跡取りを亡くし、汚名だけがのこったこの家の暗い未来を暗示してるようでよかった。

石坂金田一に比べて、ちょっとお茶目な古谷金田一もいいね。