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鎌倉殿の13人のqumiのレビュー・感想・評価

鎌倉殿の13人(2022年製作のドラマ)
5.0
行動だけ見たら「悪」なのでは?と思えること、その起点は、根底にある心はなんなのかという人間関係や事象を描き切ってくれてお見事すぎた。
単純な悪ってない。人間の思惑だけがある。

北条政子の半生と覚悟が優しく悲しかった。
北条義時が変わっていく様が残酷だったな…
純粋すぎるがゆえに…という部分も書き込まれていて見ている方のストレス調整も巧みにされている感じだった。

実朝周りのお話しが悲しく優しくて好きだった〜。
千世様も和田殿も優しかった。

所々シェイクスピア作品を想起させるところが良かった。
歴史という形で未来は決まっているし、見ている人は知っている、あるいは調べられることでも描き方一つで感じ方が全然違う。
でも何より素晴らしかったのは最後の姉としての政子や、死ぬ前に「誰も恨んではいけないよ」と言った全成殿、「私はいつも誰かに守られているのです」と言えた鶴丸だった平綱盛、一人で苦しんでいた心を打ち明けてくれて嬉しいと言えた千世様みたいな人間の心。
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