わんこ我々はら組

鎌倉殿の13人のわんこ我々はら組のネタバレレビュー・内容・結末

鎌倉殿の13人(2022年製作のドラマ)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

ようやく見終わりました。すごいドラマでした。
三谷幸喜脚本の大河ドラマは毎回すごいことになっていますね。
その中でも明らかに血なまぐさーい鎌倉をそのまんまドラマにしていますが、なにせ三谷幸喜脚本の大河ドラマは事実を事実としてとらえて、感情で遊ぶというか三谷幸喜オリジナルのドラマとして成立させるためにフィクションに近くするのがいつものことですね。それでも新選組の時よりかなり事実に近づいた気がしますが。
今回は自分が鑑賞した大河ドラマの中で真田丸に次いで面白いと思いました。三谷幸喜の一人勝ちのようなドラマシリーズなんだなあ。

キャスティングが今回今までに増して面白い、というか大物多かったですねー大河ドラマは毎回ですけども。

しかも三谷幸喜のあてがきが光っていたのが、登場した当初はタイプキャストかな?っていうぐらいの今までに演じたキャラに近いキャラとして登場したのに死に際はめちゃくちゃ遠い、でもたぶん舞台とかでは得意としてるんだろうなあって感じるような面白い演技が見れるドラマでもありまして、面白いですよね。じぶんは超楽しみました。

以下さらにネタバレ
今回はもちろん主人公の視点だけで進むドラマで、主人公と観客が見ているものはかなり近いのに主人公はだんだん観客の目線から離れていってしまうという面白すぎる(賛否両論ある)仕組みになっていました。

小栗旬演じた北条義時は、本当に鎌倉の誕生から安定期に入るまですべてを生きていた人物だなあって思いました。それで言うとエレンにすごく近い人物かなあ。って。小栗旬は三谷幸喜脚本の作品は3回目だと思いますが三谷幸喜脚本の主人公はいわゆる三谷組というメンツの中でも毎回出るようなメンツではなく久しぶりの俳優になることが多い気がしますね。
ほんとにこいつが苦しいキャラクターで、どんどん人殺すからやっぱり感情移入は途中からできなくなりますが。

新垣結衣演じた八重は、死ななくてよかった、、
最後まで義時に影を落とし続けるキャラクターで、一生好きだったからさあ。八重は結構三谷オリジナルかなあって思ったけど幸せになったからオッケーです。八重が死んだのが結構義時の安全装置をオフにした感じがあったなあ。

堀田真由演じた比奈は死なないでほしかったよね。
すっごくいいキャラで比企が滅ぶのを静観する一番、だって仲良かったからさあ比奈と比企は。義時に協力してた時の比奈は義時によく似ていた、、、

菊地凛子演じたのえは面白いキャラだったのが、今まで義時の妻は結構義時に協力的でそれこそ義時のそばにずっと付き添っていてずっと助けられてたのにのえは義時の死因にすらなるから。のえが言っていた通り義時は太郎に八重の姿を見ていただけでのえの姿を見ようとしなかったのが、それこそ義時の終わりを告げるキャラだった。

坂口健太郎演じた北条泰時だけど、こいつが全部持って行ったよね。何せこいつは義時と全くと言っていいほど同じ道のりを通り続けたから、彼らの通った道の違いから鎌倉の幸せを勝ち取るのが泰時であった。何せ彼らの上司人殺しまくるから。それで太郎の道が祝福されるのは物語としても素晴らしい。
坂口健太郎もめっちゃいいキャラしてたのが、最初は頼りなさそうな声に芯のないキャラで、小栗旬に飲まれていたところがあったけど、平和主義者(鎌倉的意味で)として芯が出ていったのかな?と思いました。

父上はすごいキャラだったよねえ。本人には出世欲ないのにどんどん政治闘争に巻き込まれていっちゃう鎌倉の闇をそのまんま食らったような人物だったなあ。

愛之助様、、生きてほしかった。

瀬戸康史の時房は全然悪人なんだよね。だから最終回で義時の毒をめっちゃちゃんと飲んじゃうんだよ。あんな善人みたいな顔してるけど基本的に義時の味方だから。相応の報いをちゃんと受けまくってるけど全然コメディで隠されてるところあり。

政子って実はほぼこのドラマで何かをしているキャラじゃないのよね。ただ会話で人を救おうとしたけどどうしても何もできなかった。結局救うことができたのは実衣ただ一人だったり。逆に救うことが彼女の成長でもあった。

実衣は苦しいキャラだったよね。逆に出世欲があるから鎌倉では生き残れないの典型例でもあった。

ほかにも佐藤二郎演じた比企の死に際の面白さとかはほんとにすごい。
これを大河でできたのがうれしいよ。