もこもも

カルテットのもこもものレビュー・感想・評価

カルテット(2017年製作のドラマ)
4.4
人生に立ち止まっている4人の偶然の裏に秘密を抱えた出会いから始まる共同生活を描いた大人の青春ラブコメミステリー

この雰囲気大好き
4人の掛け合いが面白いし、
4人それぞれがそれぞれを
大切に想う気持ちに感動するし、
成功するわけではないねんけど、
大好きな人たちと夢を追う姿が
キラキラしてて羨ましかったし、
それぞれに隠した秘密の事情がある
サスペンス要素もみぞみぞさせられ
毎話毎話引き込まれて夢中になった

色んな魅力が詰まった作品やけど、
4人の何気ないやり取りが一番魅力的
唐揚げで始まって唐揚げで終わるの最高
ストーリーの展開が気になる以上に
4人の会話劇をずっと観ていたかった
色んな背景があったけどカラオケボックスでの
あの出会いはやっぱり運命やったね

「泣きながらご飯食べたことある人は
 生きていけます」

笑えたりほっこりするシーンだけでなく
胸に刺さる素敵な言葉が多いのも良かった
真紀さんとすずめちゃんのカツ丼シーンと
真紀さんが戸籍を買ったことを話すシーンは
特に感動させられて印象的やな
白でも黒でもなくグレーな感じも
繊細な心情変化や割り切った考えも
大人の為のドラマやなって感じる

「人を好きになる事って
 勝手に溢れるものでしょ?
 溢れたものが嘘な訳ないよ」

メイン4人の演技力が凄いし超ハマり役
松たか子も満島ひかりも松田龍平も
もともと好きやったけどさらに好きになった
高橋一生さんはちゃんと意識して観たのは
初めてやったけどめっちゃ好きになった
後、思わず嫌いになりかけるぐらい
吉岡里帆の演技も破壊力あってびっくり
やっぱり満島ひかりは可愛すぎ、素敵すぎ

最終回の『死と乙女』の演奏は圧巻
ただ『Music For A Found Harmonium』こそ
この4人の象徴って感じでキラキラしてて大好き
それにしても『最高の離婚』といい
『大豆田とわ子と3人の元夫』といい
阪元裕二ドラマのEDはメイン4人が歌うんや
聞いた瞬間に絶対に椎名林檎やと思ったわ
林檎嬢のセンスと色気が溢れてて大好き
最終回ラストの車の中で歌う演出も最高

「死ぬなら今かなってくらい、今が好きです」

主題歌 : Doughnuts Hole『おとなの掟』


1.
「人生には3つ坂があるんですって
 上り坂、下り坂、まさか」

仕組まれた偶然であることは分かるけど
それぞれがどういう想いを、企てを
隠してるのかはまだ分からんくて
まさに"みぞみぞ"しながら観てた

それぞれのストレスや戸惑いが
垣間見えるし噛み合わない会話も多いけど
作品の雰囲気としてはまだ柔らかめ
満島ひかりがめちゃめちゃに可愛い
唐揚げのくだりとゼリーのくだり好き

「あの日カラオケボックスで
 皆さんに偶然出会えて良かったです
 あれって運命だったのかもしれませんね」

2.
「私、多分結婚する」の行間案件で
4人でわちゃわちゃするくだり好き
別府さんがカラオケボックスにいたのは
巻さんへの恋、憧れやったわけやね
別府さんが巻さんに告白したところの
「捨てられた女舐めんなよ」がめちゃ怖
別府さんと同僚の女性の関係は切ないな
2人一緒になればいいのにって思う自分は
やっぱり未熟な男なんやなって感じる
すずめは別府さんのことが好きなんか..!?

3.
「泣きながらご飯食べたことある人は
 生きていけます」

すずめちゃんの過去はまさかの
かつて世間を賑わした偽超能力少女
親の言うことを聞いていただけやのに
世間からは嘘つきと言われてそんな過去と
向き合い続けてきたすずめちゃん
すずめちゃんは悪くないのにね...
やから巻さんの言葉はほんまに嬉しかったやろね
チェロを始めた理由もとっても素敵

「特別な関係に見えちゃいますよ」で
何回も別府さんが着替えるくだり好き
アドバイスの通りペットボトル1本分の
距離を意識するすずめちゃん可愛い
ほんで「Wi-Fi繋がりました」のキスが
すずめちゃんらしくてめっちゃ良かった

4.
「このままだとゴミ屋敷になりますよ」の
ガチオコ別府さんとみんなのやり取り好き
家森さんの過去めっちゃ濃くて笑った
奥さんとは上手くいかなかったとしても、
息子のことはこんなに愛してるやね
知らない別府さんの一面を見て好きになった
ただカラオケボックスには巻さんを
ゆすろうと思って近づいたんやね
巻さんの真実、4人の関係性、どうなるんやろ

5.
「一人一人の夢は捨てて
しばらくは...しばらくの間は
カルテットドーナッツホール
としての夢を見ましょう」

たとえ奏者として3流で社会人失格でも
音楽が好きで音楽に真剣に向き合ってる
4人がキラキラして見える
演奏のフリの仕事をやり切った後の
路上の演奏シーン大好き

終盤の女の言い合いはめっちゃヒヤヒヤで
有朱ちゃんには超イライラした
盗聴機が見つかったシーンは胸が痛い
心境の変化があったとしても
盗聴してたのは事実やもんね...
ラストでまさかの元夫登場...!?

「ありガトゥーショーコラー」

6.
「夫婦ってなんだろ」

巻さんと元夫の両方の視点で
馴れ初めから別れまでを描いた回
難しいな...って感じた
本音を話さず逃げた元夫が悪いねんけど、
なんかそれまでの心境の変化が
自然で少なからず同情も抱いた
それにしてもラストやばすぎるやろ
シリアスにも程があるシリアスで、
全然違った作品になっていきそうな雰囲気

7.
ずっとモヤモヤして気持ち悪かったけど、
巻さんが軽井沢に帰ってきたのでスッキリ
有朱ちゃんさすがに生きてたよね、焦った
それにしても生きてたら生きてたで
図太くて憎たらしい子で好きじゃない
巻さんの気持ちもわかるけど、
正直離婚してくれて良かったし、
元夫も警察に出頭してくれてよかった
巻さんが出て行った時のすずめちゃん涙が印象的

8.
「両思いは現実、片思いは非現実
 片思いって一人で見る夢でしょ?」

すずめちゃんと家森さんにやられた
すずめちゃんの恋模様、サボテンを愛でる姿、
バイト受かって喜ぶ姿、全部が可愛い
なんで別府さんの恋を応援するのぉぉ
別府さんとコンサート行ってディナーする
夢が可愛くてキラキラしてて切ない...
ほんで、そっか...家森さんは
すずめちゃんが好きなんか...
それを見せない優しい家森さんが素敵

4人輪になって穴釣りしたり、
お母さんの説教を無視して
こっそり晩御飯を食べたり、
2人分のそばを入れ替わり
立ち替わりで4人で食べるのも大好き
ほんでラストでびっくり、
真紀さんは一体何者ー?

「死ぬなら今かなってくらい、今が好きです」

9.
「カルテット揚げパンは嫌ですね...」

暴力を振るう義理の父から逃げるために
戸籍を買った過去を持つ真紀さん
さらに他にも隠させてるようで気になる
任意同行からの切なさが半端ない
最後の夜のみんながとってもキラキラしてた
それぞれがそれぞれと出会えたから
人生やり直しスイッチを押そうとしないように
なるぐらいほんまに大切な存在やねんね

10.
「それぐらいね、眩しい時間だったんです」

あれから1年が経って、
すずめちゃんはあんまり寝なくなり、
家森さんは週7日働くようになって
なんだか寂しさを抱いちゃう
執行猶予がついて半年経っても
軽井沢に帰ってこない真紀さんも寂しい
それにしても世間の声ってほんまに怖いな

『Music For A Found Harmonium』での
誘き出し作戦によって真紀さんと再会し、
そのまま連れて帰っちゃうくだりにじんわり
その後のホール演奏の夢を叶えようとする
4人の姿にもじんわりしたし、なにより
何気ない4人のやり取りに胸が熱くなった

ホールでの演奏の『死と乙女』は圧巻
今までの回想も、それぞれの想いも
色んなものが詰まっていて感激した
ほんでドラクエのテーマソングに
カルテットドーナッツホールといえばの
『Music For A Found Harmonium』も
4人らしさに溢れてて大好きやった
最後、唐揚げのくだりで締めるのも最高
ED車で歌って、その後車がガス欠して
砂浜を迷いながら走る4人を観て笑顔になった

「センキュー、パセリ」
もこもも

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