MUROMI

東京ラブストーリーのMUROMIのネタバレレビュー・内容・結末

東京ラブストーリー(2020年製作のドラマ)
2.3

このレビューはネタバレを含みます

Not bad.
本当は良かったことだけを記したいところだが、ビンジるのに全11話、計11時間近く費やしているので、気になった点をいくつか。

いい女を"つかまえた"、まだ"取り戻せる"など、ちょくちょく男社会特有の上から目線なセリフがあって、観ていてキツいものがあった。
ジェンダー・イコーリティを意識しないなら、2020年にリメイクする意味はあるのだろうか。ただキャストを若くして設定を現代にしただけの中身のないドラマだ、と揶揄されてしまう隙がたくさんあるのが惜しい。

あと1人の女性のために男性同士で殴り合う河合奈保子「けんかをやめて」的な昭和のイメージを、未だに目撃することになるとは思わなかったから、驚いた。

あと花嫁シーンは、よくこんなありきたりな展開を堂々と最終話に持ってこれたな、という印象。正直作り手の自己満が手に取るように見えて、辟易としてしまった。

大ヒットした「東京ラブストーリー」のリメイクという話題がなければ、非常に退屈でありきたりな作品だと思う。リカ風に言うなら、「死んだほうがマシ」というか。

でも考え得るメイン・ターゲット層(キャストファンの若年層および、オリジナルの東京ラブストーリーをリアルタイムで観ていた主婦層)にしてみれば、これくらい軽くて、ノスタルジーに浸れて、ありきたりなラブストーリーものでも、及第点なのだろう。

実際、良く言えば「気軽」に、悪く言えば「不真面目で雑な」気持ちで観れるので、ビンジるのにかけた時間は、そこまで長いとは感じなかった。

でも個人的には、もっと刺激や新しい価値観を提示して欲しかった気持ち。

……と、指摘ばかりしていても仕方ないので、最後に良かった点を挙げるとするなら、やはり石橋静河と清原翔の演技力だろう。素晴らしかった。

伊藤健太郎は演技力うんぬんというより、どのシーンでも伊藤健太郎なところがいい。キムタクに通ずるカリスマ性を感じる。

石井杏奈は初見だったが、これまた絶妙にイラつくキャラクターがハマっていて見応えがあった。(実家がラブホ経営という設定は必要だったか?とは思ったが)

総評として、2020年という時代を意識して真剣に観るには粗が目立ちすぎるが、暇つぶしとして(オリジナル版のファンだった人は)ノスタルジーに浸りなから観る分には全然アリだと思う。

でもやっぱりせっかく時間を割いて観るなら、ケンチとリカの恋みたいに「一生忘れないと思う」作品に出会いたい。
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