イエス・キリストの生涯の3の情報・感想・評価

エピソード03
第3話
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イエスの母マリアの話。 イエス一家は「幼児大虐殺」後、ヘロデ王の死後にエジプトからガリラヤに戻った模様。 今回はイエスの誕生から12年後のエルサレムを舞台に話が始まります(イエスの逸話は数あれど、子供時代の多くは書き残されておらず謎が多いとのこと)。マリアとヨセフは突然失踪したイエスを数日間にも渡り探し続ける。やっと見つけたイエスは神殿の中で律法学者たちと熱い討論を交わしていた。イエスはごめんなさいと謝るでもなく「なぜ探したのか、父の家にいるのは当たり前だ」とのたまう。神の子じゃなかったら確実にゲンコツでしょう👊。しかしさすが神に選ばれただけあるマリアとヨセフ夫婦、器が大きいのかあるいはいくばくかの親バカもあるんでしょうが、「やはり彼は他の子とは違う...」という畏怖を幼い我が子に覚えつつ帰宅する...。というのが唯一のイエス子供時代のエピソードだそうです。 その後30歳まではとりあえず大工をしていたんじゃないかというかなり雑な情報しかないらしい。その間に父ヨセフの死があり、その後しばらくしてイエスは使命のための旅に出る。 長男としての役割を放棄したわけですから、他の兄弟としてはあまり愉快ではない。特に兄弟のひとりヤコブとの間には緊張があったんだろうと推察されている。 母の前でも奇跡を起こすようになったイエスですが、「預言者は故郷で歓迎されない」とのことで英雄的なメシア像を期待していた故郷の人々からは特に反発を受けたそうだ。母マリアは息子を誇りに思う一方で、そういった隣人たちからの無理解や反発に対する怒り、またローマ帝国の支配者に知られたらかなり危険だということへの恐れもあった。 その後もイエスはいろんなところに行き、主に社会のどん底で生きる人々と積極的に交流し、宣教や奇跡を起こしていく。社会から排除された人々を愛し、癒すイエスの声明はだんだんと広がっていく。 そうした名声が高まるほど、イエスの兄弟家族間で揉めることも増えたようだ。特にヤコブはイエスが家族を危険に晒していると、イエスに対して否定的。兄弟としてのライバル心もあったのかも。 「敵を赦し、愛せ」という有名な“山上の垂訓”。これまでにはないこの新しい倫理観は革命的で過激だった。 イエスは母や兄弟の目の前で、自分の道に家族は不要だという旨の宣言をする。天命を全うするためとはいえ、家族からすれば非情な宣言だ。(世の中には偉人がたくさんおりますが、その偉業の影にはその人の家族であることによる苦労が少なからずあるものですね。) 彼が神の子であるから信じるのみだとは解っているが、そうは言っても自分の息子でもあるから危険な目に遭って欲しくないという葛藤に母マリアは終生苦しんだことでしょう。 そしてイエスは使命を果たすため、ついにユダヤの中心地エルサレムに上る...