Kasumi

イエス・キリストの生涯のKasumiのレビュー・感想・評価

イエス・キリストの生涯(2019年製作のドラマ)
3.8
キリスト教についてよく知る学者たちによって、神学的、歴史的視点から新約聖書を登場人物ベースで辿るドラマ。
義理父ヨセフ、母マリア、洗礼者ヨハネ、マグダラのマリア、裏切りのユダ、処刑宣告のピラト、弟子ペテロ。
聖書の科学的にありえない現象を、学問的に説明してくれるので、布教っぽさはなくて勉強になりました。
ただ、人物ごとに物語ができてるので、同じ話が別の人物視点で何回か出てきて、多少テンポは悪い。

反ユダヤ主義の象徴=大司祭カイアファ
イエスの裁判でユダヤ人の有力者たちがイエスに不利な証言をして公正に裁かなかったとされることから、ユダヤ人は今でも心証が悪い。
また、ローマ総督のピラトがイエスを処刑することによって暴動が起こる可能性を懸念し、民衆にイエスの釈放を聞いた時、ユダヤ人たちは望まなかった、この記述によってもイエスの処刑の責任をユダヤ人に与えている。

この裁判と死刑宣告の場面はイエスの死後40-70年後に記載されたが、その時代はローマ人をキリスト教に改宗させるために、ローマ帝国にお伺いを立てていたためユダヤ人を悪く描くことになった。

これは知らなかった。
この心証の悪さがユダヤ人迫害の歴史にも少なからず繋がったんでしょう
なるほど、キリスト教の歴史を知らずに西洋の歴史を知ることはできないわけだ。

結局イエスっていつ死んだん?
復活した後の話が割と有耶無耶。
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