まぁー眼福。
マーダー・サスペンスをこんなにうっとりと魅入ってしてしまうとは。
今をときめくアンドリュー・スコット、彼の瞳。イタリアの風光明媚さ。それを切り撮る撮影と繋ぐ編集の完璧さ。いまこれを観ないで何を観るのか。
惜しむべきは、MINAが歌う 「Il cielo una stenza」の歌詞対訳を出して欲しかったこと。果たしてあの歌声が主人公にはどう届いていたのか。カラヴァッジョの絵と同様に重要なモチーフのはずだ。
映画版はジャズのビ・バップの如く駆け足に突き進む、熱に帯びた作品だったが、このドラマ版はシャンソンのように優雅で甘美さを称えながらも、結末へ追い込まれていく様が楽しめる。まるで水面のように揺れ漂いながら。