やっぱライアン・マーフィーはドラマが上手い。同時期に公開された映画「プロム」もライアンが作ってるけど、こっちの方が素晴らしいと思うのは、ドラマだから。最高の群像劇。
第二次世界大戦後のハリウッドを舞台に、現代映画の“流行り”である「ポリコレ」を切りにいく最高のアイロニードラマ。
その中でも痛快で、俳優たちの名演が光る。最近の私はジム・パーソンズにめちゃくちゃハマってる。ヘンリー役も最高。
「映画」の可能性を、夢を、存分に信じ、たとえそれが偶像だと気づいても、その過程があったからこそ、今がある。映画にかける想いがある。
現代の映画はどうだ?
多くの映画は「ポリコレ」を鍵に観客を釣ってる。夢も信念も熱意さえもない。本当に伝えたいのはなんなのか。本当に描きたいものはなんなのか。「ポリコレ」をダシにしてるだけ。
「ポリコレ」を流行りとして頭ごなしに称える現代社会が嫌い。忖度をするノミネートも嫌い。惰性に感じる。
求められる映画は時代によって変わる。何が挑戦になるかそれも常に変わっていく。そこで大切なのは、時代や時を読んで、その先を見据えて考えて、考えて映画を作ること。それが人々の希望になる。
そんな現代社会の映画の問題をドラマで描くのも非常にアイロニック。
最後に、現代社会に絶賛「ポリコレ」映画を量産してるディズニーに、「南部の唄」の歴史があることも組み込んで、隠蔽・抹消させない姿勢をとったことも素晴らしいと思う。