シモン・ストレンバーグによるレトロフューチャーな田舎の雰囲気をそのままに仕上げた世界観最高ドラマ。
まず彼の絵を1目見ればSF好きは漏れなく興味をひかれると思いますよ。
今作の魅力はいかにもなサイバーパンクSFでなく、日常に当たり前にある超科学の存在を市民の目線から体験出来ることなんです。
そこかしこに散らばるSCP的な現象が特別解明もされないのがいいですね逆に。
あくまでこれはループと共に暮らし、ループに影響を受けた人々の生活のお話なので。
ドラマパードがメインでなかなかハードだし、エンタメ養分はかなり少ないのでちょっと期待を裏切られるかもしれないけれど、1話1話きちんとしているので彼の絵に対するひとつの答えとして納得できます。
それにしても家族や友人の信頼関係が崩壊してることがたびたびで少し胸糞な展開もあるのだけど。
1話完結物なのもいい。毎回主人公が変わるけど、小さい街なので前回の主人公が今度はサブで出てきたり、話もちょこっと繋がってたりと素敵な構成になっています。
だいぶゆったりで寝る前に観ると気持ちよく眠れる静かなドラマなのも良かった。音楽も美しい。
他のアートブックも映像化して欲しいところ。この世界がもっと面白くなる可能性はまだまだ残されているよ。