ヴァジム

風と雲と雨のヴァジムのネタバレレビュー・内容・結末

風と雲と雨(2020年製作のドラマ)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

前半が面白かっただけに、後半が今一つだったなと思います。

色々な観点で感想を書いてみました。⇓
衣装面は、悪役含めてみんな綺麗かつ豪華で観るのが楽しかったです。

役者さんの面では、もちろんパク・シフがかっこよかったです。シックな衣装が多かったですが、涼しいお顔立ちだからより凛として見えます!表情豊かで、チョンジュンを応援してました。悪役達も本当にみんな憎たらしいと思えました。前半はキム・ビョンウン、後半は興宣大院君。ベテランのお二人の演技がこのドラマに緊迫感を持たせていて良かったです!チョン・グァンリョルさんの変幻自在ぶりは見事でした。前半はおとぼけキャラかと思いきや、キム家に仕返しする場面や朝廷での横暴っぷりは冷酷で怖かったです。インギュも粘着質でサイコパスな感じが印象に残りました。

登場人物(キャラ設定)の面では、チョンジュンは最後ぶれてしまった感が否めないです。未来志向で、憎いチャンドン金氏を殺さずに没落させたのに、最後は興宣大院君の暗殺を計画するのは、ぶれてる気がします。
インギュは、ポスターやクレジットでは4番目だけど、正直彼はほぼキム・ビョンウンの指示で動いていたうえに、彼の心の動きが描かれることがなくて残念でした。出演時間も含めて、キム・ビョンウンの方が目立っていたような。最期は、切なかったけどある意味本望を遂げられたんじゃないかな。ボンリョンと二人で歩いている妄想シーンは悲しくも、美しかったです。(ソンヒョクさんは全体的に演技力あったと思います。)
チョンジュンの仲間たちが良い味出してました!パルヨンのチンピラ感が最高でした!(チョアヨ!!)
悪役は非常に憎たらしかったです。キム・ビョンウンは頭の良さ・回転の早さはチョンジュンに負けてなかったと思います。おまけに生命力が強いのも負けていない(笑)しかし、その知恵の使いどころが国のためになってない。興宣大院君は最初は国や民を想う人だっただけに、次第に猜疑心が強くなって、チョンジュンを敵視していたのが憎いと同時にある意味人間らしい人でした。二人は仲違いする運命だったのかもしれません。

話の内容は、四柱推命学で国の行く末や人物の未来を予想し、悪役の権力者と対峙するという前半の展開は面白かったです。チョンジュンは一見予知能力に長けているようだけど、徹底的なリサーチに基いた予言なので、当たるのも当然な気がします。しかし、後半は四柱推命学は関係なくなり、権力のことしか考えなくなった興宣大院君を倒して開化を進めていく話。話数が短いからか、内容が前半と比べて薄いなと思いました。また、最後もロシアだからか色々と現代っぽくて、斬新な終わり方だなと思いました。

音楽は、綺麗でした。特にオープニングは壮大な音楽と共に映像もドラマチックでかっこよくて、お金がかかってるのだろうなと思いました。

まとめると、設定は斬新だけどやはり前半と後半に差が出てしまい、惜しいという感想です。役者さんやOSTは良かっただけに、本当に惜しかったです。あまりドラマで扱われることが少なく、重めに描かれがちな朝鮮王朝末期のドラマにしてはそこまで重くはないと思います。
(最初からあの話数のバランスだったのかが気になりました。)