まとまりの良い時代劇だなと思いました。
前半はバウ、中盤は翁主様に焦点を当てて、バウの息子チャドル(かわいかった)と共に2人が家族になっていく様子が描かれるほんわかしたドラマだなと感じました。
後半は、物語の舞台を宮廷に移して、光海君やイ・イチョム、キム・ゲシ、キム・ジャジョムといった実在の人物が繰り広げる政治バトルにバウや翁主様、デヨプ若様が巻き込まれていくという展開でした。
チョン・イルは今までにないビジュアルで、新しい彼の一面を知れたとともに、ならず者も演じられる演技の幅の広さを感じました。バウはこれまでの人生で色々経験したにも関わらず最後まで人情に厚い上に、バイタリティーがすごくてピンチを乗り切れる点はカッコよかったです!
翁主様はとてもかわいそうな人生です。いくら高貴でも何度も辛いことに遭遇したら、辛いですね。本当に強い人で、何でも自分で乗り越えようとしてて、途中もっとバウを頼って!と思ったくらいです。ユリさんの落ち着いた声が役に合ってましたね。
後半は各人物の葛藤が詳細に描かれていて、史実通りになるのか?と少し思ったりもしましたが、最後上手くまとめていて、納得しました。
人物の葛藤という点では、2人の人物が印象に残りました。
1人目はデヨプです。翁主様に長く恋心を抱くものの、その恋はなかなか実らない。しかし、そこで腐らずに翁主様を密かに見守っていたのは応援せずにはいられなかった。翁主様も彼のその気持ちはわかっていたはず。シン・ヒョンスさんの爽やかな演技があっただけに、デヨプの最後は悲しすぎた…
2人目は光海君です。今まで複雑な悪役のイメージが強かったキム・テウさんということで、どんな光海君になるのだろうと思っていたら、やはり複雑な人物でした。怒ったかと思えば、自身の王座の維持への不安から泣き喚く王は記憶に残りました。裏返った声も出しながら、感情の変化が激しく、本当に信頼のおける味方が少ないある意味かわいそうな王を演じられていて、キム・テウさんの新たな一面を見られた気がします。
個人的には、イチョムの部下のテチョルも触れておきたいです。やってることは悪いことばかりですが、常に表情を変えず、イチョムの命令には「絶対」従う、本当に忠誠心の厚い人物です。この立ち位置の人はどのドラマにもいるとは思いますが、戦闘に強いのと、渋いお顔と低いお声が、役に合ってて、途中からテチョルの登場を楽しみにしてました笑
恋愛に重きを置いているわけでは無いですが、しっかり史実も交えて、バランスの良い時代劇だと思います!