宮下小鳥

おかえりモネの宮下小鳥のレビュー・感想・評価

おかえりモネ(2021年製作のドラマ)
2.0
丁寧に感情を編み上げているように感じた。

ナレーションで感情を説明しなくて、モネの表情のみで表されたり、ぽろっと一粒涙がこぼれるだけやったり、淡白に表現してた。

モネが淡白な人やったからなあ。

うれしくてもはしゃがないし、怒っても怒鳴ったりしない。
どっちにしても淡々としてる。
こんなヒロインはあんまりいなかった気がする。

被災者を、内側でもない、外側でもない。
むしろ両方分かるモネを通して見た宮城県の現状を見る事ができたのかなあ。

登場人物はみな透明感ある、真っ直ぐに実直に生きている人達ばっかりで、そこが、その、りょーちんで言う、綺麗事、に感じてしまったかもしれない…

奥さんが行方不明で荒れる浅野さんとか、おばあちゃんを置いてきたみーちゃんとか、人間らしいと言えばそうかもしれないけれど、結局は綺麗にそこも物語的には着地してしまった。

どうしようもなく生き続ける人とか、どうしようもないまま死んでしまうとか、そういう人物はいなかった。

宇田川さんか…
でも、彼かて、奈津さん親子との温かい交流があるやん?

でも、姿がまったくない登場人物っていう表現はおもしろかった。

人々も景色も美しいドラマやったけど、人間の生々しさが無くて、物足りなく感じた。

でも、これはこれでいいドラマやったと思う。

清涼感があった。
宮下小鳥

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