かくわ

おかえりモネのかくわのレビュー・感想・評価

おかえりモネ(2021年製作のドラマ)
3.8
「あまちゃん」以来の東北地方を舞台とした朝ドラ。
東日本大震災から10年。

登米編でみる自然と、空・海・土の繋がりや、自然界の恐怖。
東京編での気象予報士としての仕事。
そして、気仙沼に戻って地元のために何かをしたいモネ。

週を追うごとに徐々に過去が明らかになっていくスタイル。(それも震災を扱っているだけに中々重い)
ながらで観る人が多い朝ドラ視聴者は置いてかれるけど、ガチ勢には何度も見返したくなるタイプの作品でした。

ただ残念なのは、脚本家の意図とは関係なくNHKによって無理矢理組み込まれたとしか思えない、スポーツ気象(パラリンピック)。
初めに断っておきますが、スポーツ気象やパラリンピックを否定しているのではなく、物語の一貫性として、その回だけあまりにもかけ離れていて、その週と、以後とでの話の関連性がほぼ皆無。
ただでさえ話数が少ないことを考える残念。

「お姉ちゃん、津波見てないもんね」
モネの妹みーちゃんのこのセリフがあります。
さらに最終週、3.11のあの日、実はみーちゃんには人には言えなかった“痛み“があることが分かります。
…がこれがあっさりと終わってしまった。
震災を扱った以上、もっと向き合って欲しかった気持ちが残りました。

ですが最終回、2020年2月からの2年半後のモネの世界では、“感染症“(もちろん新型コロナウイルスのこと)は収束して、菅波と再開できたモネが2人で手を繋いで海辺を歩くシーンはよかったです。

個人的にベストは、
「余裕しゃくしゃくに生きている様に見える大人たちも、必死でもがいて生きている」
サヤカさんのこのセリフで救われた大人はたくさんいると思います。

3.11の痛みを抱えた若者と大人はそれぞれの未来に向かって進む。

ありがとうございました。

#おかえりモネ
かくわ

かくわ