溶けたアイスは元には戻らないし、落ちた雨が空に還ることはない。
不可逆な時間の中で、自分のものですら制御することのできない感情を持つ我々にとって関係性の変化とは避けられない事象のように思う。
あの頃の方が良い関係だったなと思ったとしても今は昔、もう戻ることなどできない。今できることはその過去と納得のできない現在を背負い新しい関係性になること。
それができないのならばその人とはそれまで、関係を断ち他の誰かと新たな関係を築くことが必要なのかもしれない。少なくとも2人の主人公は前に進むためにその手段をとったように見えた。