終わってしまった、、4話完結という短さを差し引いてもこの1ヶ月はあっという間に過ぎた。
毎週火曜が楽しみで、放送してくださったことには感謝しかない。
お金に対する価値観の違いでそれぞれの人物を描き分けるところが新しくて面白かった。
身近にあるものだけど人には話しづらかったりもするお金の話。そしてドラマとしてはそこまで描ききれなかったけど、愛とお金の相関関係について。ありそうでなかった興味深い切り口のドラマ！
きっともし最初から全然違う二人がキャスティングされてても興味深く見たと思うと同時に、この二人にしかできない役だったとも思う。
主要人物みんな、人には言わない「ほころび」も含めてそれぞれ魅力いっぱいのキャラクターで、ちょっとめんどくさいところも含めて愛しい玲子さんには松岡茉優ちゃんがぴったりはまってた。
慶太はお金の使い方がめちゃくちゃで、且つお節介なところもあるけど心がまっすぐで憎めない感じが魅力的だった。
あと笑顔がたくさん見られる役なのが純粋に嬉しい。やっぱり笑顔が最高に良い。
慶太が出てこないことが分かってる最終回で、ロボットの猿彦と慶太の面影を重ねるやり方はなるほど…と思ったし、思いのほかロボット相手に感情移入できたのは3話までで築き上げられた慶太の魅力あってこそだと思う。
正直、代役を立てる形になるかと思ったけど、短縮してでもそのまま放送してくれて本当に良かったと思う。
最終回は、慶太に思いを馳せたあらゆるセリフが、役を超えて自然な流れで春馬くん自身に向いてるように聞こえる言葉で…
当初の半分で完結させるという状況の中で、ものすごく愛をもって書かれて、思いを込めて演じられたことが伝わってきた。
脚本家さんや役者さんって本当にすごいなと最後まで見て思った。
玲子さんみたいにお金やモノや小さな幸せを大切に、慶太みたいに素直でありたい。
あと、オープニングの高揚感といいところで流れるミスチル(特に1話の蕎麦屋さん！)も良かった！
(以下ネタバレ)
個人的にしっくりハマる脚本だったから好きなシーンがいっぱい。
ためになったのは2話のコンコルド効果の話。
「意味がないと分かっていながらも、今までの投資が無駄だったと認めたくないから投資をやめられない」にものすごく思い当たる節があって勉強になった笑
それと3話で早乙女さんが実は既婚者なのをリークしたのが秘書の牛島さんだったくだりで、その理由を「(スケジュール表の色分けが)オレンジだったから」って言ったとき、早乙女さんは「そんなくだらないことで…」って言ってたけど、うわー女心！！って感激した。
こんなに近くにいて貢献もしてるのに何で自分は玲子さんのように扱ってもらえないのだろう、自分は誰より彼のことを知ってるのに一生あのポジションには着けない、っていう気持ちを「スケジュール表の色分け」で表してるところがかなり秀逸。
あと玲子さんが早乙女さんに抱く「推しが尊い」的な感情の表現も良かった。
遠くから見てるぐらいがちょうどいい、と口では言いながら本当はおじいちゃんおばあちゃんになっても早乙女さんと一緒にいる未来まで想像してたり、失恋してぐちゃぐちゃに泣く玲子さん(松岡茉優のこういう演技大好き)を30代男性らしからぬ無邪気さで、でも少し涙も流しながら慰める慶太、のシーンも好き。
そして”ゴロゴロぴっかーん”と雷が落ちて、慶太が「落ちたなぁ」と言ったのは、雷のことだけじゃないな、と分かるあの瞬間も。
最後、家の戸が開いて玲子さんの笑顔で終わるところ。
やろうと思えば、玲子さんを呼ぶ声だけ入れるとか後ろ姿だけ映すとか、そういう演出もできるとは思うけど、あえてそこにいるかどうかは見せず。
ドラマの中では役とはいえ、現実世界にはいなくなってしまった人をそういう形で使うのはやっぱり敬意に欠ける気もするし、
それにわざわざそんな演出しなくても、姿が見えなくても確かにそこにいると思わせる、三浦春馬という俳優の存在の大きさを感じるとともに、現実でも”姿は見えなくてもそれぞれの中に存在している”ということを表してるようにも思えた。
フィクション、しかもオリジナルだから自由がきくとはいえ、今回は多くの人がフィクションの中に現実を重ねて見てるであろう状況の中、セリフにも最後の演出にも丁寧さと誠実さをかなり感じた。
いろんな意見はあると思うけど、少なくともこういうところには愛が溢れてたと私は思う。
他にもキリがないほど好きなシーンとかキュンとするポイントがある！
どうしても最終話は意識せざるを得ないけど、「三浦春馬の最後のドラマ」ということだけが一人歩きするのではなく、松岡茉優のゴールデン初主演ドラマというところも含めて、これからもできるだけたくさんの人に愛される作品であってほしい。
あと劇伴めっちゃ好きだし、最近バラエティ番組でお金がテーマの特集とかあるとこれのOP曲が使われてることが結構あって嬉しい。
