たいよーさん

30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしいのたいよーさんのレビュー・感想・評価

4.3
映画化すると聞いて初鑑賞。最初はただのBLモノと舐めてたら…凄い良かったんですけど!男性の性役割による社会的構造と外野からの視点、そして愛をユーモアで包んでいて、超キュンキュン。すごい作品だわ…。


良くある噂を真に受けたファンタジーを切り口に、ピュアで優しい世界の恋を描く。他の作品と一線を画すのは、なんと言っても心理的描写の多さ。声が聞こえるから、だけでなく、つい巻き込まれてしまうようなヒヤヒヤぶりを感じる。聞いちゃってるんだよな…と思いつつ、起きる展開にハラハラする。そして次第に、心の声に頼らずとも他人に交わることの意義に気付く。そこが何とも上手い。

また、描写における男性的な構造も見逃せなかった。飲みニケーションの強要だったり、成果主義に縛られたり、バランスの使い方も絶妙。だから考えられるような部分も多くて共感出来る部分もある。

そんな2人を赤楚衛二と町田啓太が。こりゃ2人にキュンキュンするわ…。しっかり者と可愛げのある犬顔。ハマり役でありながら、どこかピースとして欠けているようでもある。だからこそ、そこが次第に埋めあっていくようで面白い。どちらかというと感心も多かった気がする。全編含めて、楽しくも考えさせられながら見れた。


そして待望の映画化。タイトルの設定がなくなった今、どのように再構築するのか。楽しみに待ってみようと思う。
たいよーさん

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