あれなす

この恋あたためますかのあれなすのレビュー・感想・評価

この恋あたためますか(2020年製作のドラマ)
3.5
脚本はアレだったが、演技者が皆上手かったので、この採点3.5点。

本来は19歳の森さんを制作側の推しとして初主演に抜擢したんだから、
最終的に社長とああなるラストだったら、
もっと樹木上げの演出を多くして、
視聴者皆が好感持ってあの最後を迎えて欲しかったけど、
実際の主人公樹木の役割は掻き回し役を演じてるだけで、
美味しい所の共感される部分は新谷・里保が持っていった印象。

某インタビュー記事で恋あたの制作Pが
(樹木は嫌われるキャラだろうなぁ。でも、それが面白い)
云々的に言ってたのを見たから、
正直、ひでぇ制作側の態度だなぁと思った。
潰す気で主演のあの役柄に抜擢したの?と。
その酷い状況の中でも、森さんは彼女なりに演技頑張ってたけど、
正直、イケメンとあれこれ恋愛する物より、
お仕事・家庭物や明治時代~昭和初期のような懐かしさを感じる物・
時代劇など、彼女特有の素朴な自然さのある演技を
素直に見て貰える映画やドラマの方が
大人の視聴者の評価が上がると思う。

ぶっちゃけ恋愛物は相方とのお似合い感を求めてる人が多いので、
見た目的にも普通っぽいからね彼女。
その彼女がイケメンとの恋愛物で好感持って貰うには、
親近感や視聴者に気に入って貰う態度や所作で
共感得て貰うしかないけど(恋つづの上白石姉がその例)、
そこの部分が恋あたではおざなり過ぎたので、
結局、新谷・里保のどこからみても無難に良い人柄の脇に
共感が行ってしまった感じかなぁ。

共感されないであろう主人公の役柄を森さんにやらせてた
TBS側の意図が最後まで意味が分からないドラマだった。
いくらピンポイントで泣きや表情豊かな森さんの名演した所で、
日常の態度がアレな主人公の役柄じゃ共感して貰うのは無理だろ。
NHKのエールの梅や、少年寅次郎のさとことの
森さんの効果的な使い方と比べて、
恋あたの役柄が酷すぎて、文句を言いたくなってきた。
エールでは中村さんと同じ三十歳前半のハナコの岡部さんとの歳の差も、
梅をしっかり者の頼もしいキャラとした事で
歳の差を違和感を無くしてたのが、NHKは非常に上手かった。
描き方次第で、違和感を無くす事も出来るのに、
TBSの恋あたは違和感を最後まで放置してた感じ。
(違和感を乗り越えて~)と言う脚本側の反論もあるかも知れないが、
それにしちゃ、
その大きな違和感を乗り越える描写が薄すぎて説得力が無い。
別の相方とどうなる?のキュンキュンの方に力を割き過ぎて、
最後のあの主演二人の納得感があまりない。
ラストに納得感を持たせるにはバランスが悪い脚本。

脚本の神森さんはラブソングのドラマのアレな反応を生かしてくると
期待してたけど、
結局、この脚本家は年若い女子はこう言うもんだと言う
印象を変えられないんだろうな。

中村さんに関しても、序盤からのイケてる系男子を上手く演じてたけど、
途中からは何か曖昧キャラになっちゃって、
序盤のイケてる感が薄くなってしまった。
主演二人の役柄が弱い感じで、演技者どうのこうのでは無いんよね。
要するに、脚本が脇キャラが引き立つように書いてある。

四角関係をとにかく盛り上げようとして、
主演二人の交流を納得出来る形を多く描かないから、
主演の印象より、脇の印象だけ強めた感じだな。
最後のあの形で納得させたいなら、
ちゃんと主演二人が多くの人に共感得て貰うように描かないと。
脇の二人の出番を減らしてでもね。
一方的にこのドラマのメイン役で役柄的に得だったのは、
仲野さんと石橋さんだね。
普通は、主役の魅力を多くして、
その上で脇も・・で四角関係のバランスを取るもんだけど、
このドラマは主演を視聴者に気に入って貰える事をおざなりにして、
脇の二人の魅力を上げる事でバランスを取ってきた感じだから、
タチが悪い。

森さんは民放連ドラ初主演で、知名度は上げたけど、
役柄が悪かったね。
その中で演技的には非常に良い演技をしてたけどね。

テレビ東京のドラマ、あのコの夢3話の仲野×森のコンビの方が、
遥かにキキマコより、森さんの魅力を引き出してて、
TBSのヘボさが際立つ。
あのコの夢の方は
彼女の持つ素朴純真さと演技の上手さをそのまま生かしてた。
恋あたは素朴さを悪い方に使ってきた感じ。
他局ドラマや最初の晩餐・ラストレターなど他の出演作を知ってると、
恋あたの扱いのヘボさが分かる。
よくここまで酷い扱いに出来るもんだと言う感じ。
ドラマのTBS・・と良く言われるから期待してたけど、
ここまで主人公が雑なキャラにされるとは思わず失望が過ぎたね。
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