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俺の家の話のakのレビュー・感想・評価

俺の家の話(2021年製作のドラマ)
3.6
伝統芸能一家という枠組みに塾講師、弁護士、腹違いの息子、遺産目当ての介護ヘルパーなど複雑なアイデンティティーを持った登場人物。マスク、プロレス、能のマスクトリプルミーニング。偶然の長瀬退所とコロナウイルス。これらをまとめ上げた見事な脚本だった。

これは父と子(寿一)の物語だったと思う。親父は、地獄行きと言われるほどだらおしない生活を送っているし、プライドも高くて介護士にうつつを抜かす。寿一はそんな親父の弱った心と身体を癒すために家に戻ってきたのではないか。自分がないと言われる寿一だが、俺の家の中での生活は輝いていたと。まさしく人間家宝だ。
意外だったのは親父の方が試練が多かったとこだ。寿一の継承はできなかったが、一家の結束は高まった。最終試練である、寿一との別れを言うシーンこそ、能であった。
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