『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノが監督、という鳴り物入り宣伝につられて見てはみたものの、
結局あの映画はジェームズ・アイヴォリーの才能の賜物だったのではないか?と思わずにいられない、その程度の出来のドラマ。
思春期の子どもたちの葛藤(言葉にすると安っぽい…)特にジェンダーアイデンティティを含めて描いた作品だと、Euphoriaが近いのかもしれないけど、
あちらの世界観が非リアルなりに完璧なのに比べ、こちらはリアルなくせに雑すぎる。
人物設定が曖昧すぎるし、見せ方もころころ変わりすぎて、結局最後まで誰にも感情移入できない。
Fraserを単に『面倒な子』として捉えてほしいのか、
それともたまに出てくるASDに特徴的な動きを察知させて、それを免罪符として見逃してほしいのか。
よく分からないなあ、と思っていたら見終わってしまった。
Caitlinのお母さんの昔話とか、ジョナサンの彼女紹介とか、完全にいらないでしょうよ。
Fraser役のジャック・ディラン・グレイザーと片母のクロエ・セヴィニーの演技は良かった。
あと風景もそれなりに綺麗。
ところでロシア人の家、あんなに荒らしたら冷戦にならないのかな?