このレビューはネタバレを含みます
理系の企業開発者で、ベンチャーとも投資家とも仕事しています。職業柄もあり、面白さは愛の不時着と並んだかもです。韓国すごいわ。
ドラマは前半はジピョンの過去が、後半はドサンの成長が中心に描かれており、主役はどっちか？という感じでした。
ジピョン肩入れするかしないか、で評価が分かれるかな。
そもそも手紙が地図なき航海、という設定、スタートアップが地図なき航海なら、CEOダルミとCTOドサンは航海を共にせざるをえません。しかし、投資家ジピョンはガソリンは注入できますが、同じ船には乗れません。沈没すると、責任を問われるため。あと投資は公私混同は厳禁とされており、ダルミが彼女、あるいは気持ちがある状況では投資は出来ない。
そもそも手紙が地図なき航海、ジピョンが投資家、その設定がよく理解した上で見ていれば、もう最高レベルの脚本です。
私は開発者なのでドサン寄りでダルミがドサンを選ぶ気持ちはよく理解出来ました。CEOの夢を叶えるのはCTOの開発者ドサンしか出来ないから。終始出てきたfollow
your dreamは、ドサンがダルミの夢を叶えること、これも地図なき航海を共にし、あなたの夢を自分の技術で叶えるということですね。
スタートアップにありがちな情報漏洩、契約ミス、大手企業の下請け要請、M&Aの落とし穴、競合ベンチャーへの転職
が描かれており、日常的に開発に出てくる用語も出てきて、各回のタイトルもスタートアップやMOTで並ぶ言葉ばかりで馴染み深かったです。
R&D、スケールアップという言葉をドラマの中で初めて聞きました！
いつもイケメンヤサメンが主人公ばかりの韓ドラにおいて、
工学部出身の天才ＡＩ開発者 芋臭いナムドサンが主人公、も非常に魅力的で、ドサンを応援してました。芋ドサンをナムジュヒョクが見事に演じていた。
リュック、チェックシャツ、Ｇパンが、まさに国立大学理系大学院生な感じ。
月が明るいの突っ込み、比較対象データがないことの突っ込み、占いは確率論だ、血液型、どれも理系あるあるで、
よーく脚本家さんがご存知だなと笑
アメリカから帰国してからモデルばりに化けるけど。（ＮＪＨは元モデルか）
13話最後のランサムウェアに感染した時の駆けつけ方、滅茶苦茶かっこいーー。
そして、14話最後に「片思いでもいい、自分がダルミを支える、と」覚悟を持っておぶって橋を渡ったシーンに感動しました。
ヌンギルのコンセプト、視覚認証技術、自動運転等、全て2016-2019年にAI技術の中心として開発された内容ですよね。
きっとドサンみたいな研究者が世の中を変えていくんだろうな。
あと、最後はサイドストーリーとなってしまったハルモニとジピョンの繋がり。
ジピョンを演じたキムソノさん素晴らしく主役の二人を上回る注目度になりましたね。
1話、最終話のハルモニとのシーン、大号泣でした。
最終話ドサンがハルモニを訪れた時のハルモニの一瞬顔が曇った表情、ジピョンを思いやって、目が見えない中ジピョンのところにかけつけたシーンに大号泣。
ジピョンがあまりにもステキすぎるのと、ドラマ自体が全世界同時配信なこともあり、ネットで炎上していましたね。
キムソノさんの出世作になったことでしょう。
伏線も最終的に全て回収されたし、メインストーリーの起業の話はほんとよく練られており、満足度非常に高かったです。
