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クイーンズ・ギャンビットのSのネタバレレビュー・内容・結末

クイーンズ・ギャンビット(2020年製作のドラマ)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

いつどっちに転んでもおかしくないと思わせる緊張感が不穏だけど惹き込まれた。天才で孤独なベスが時々見せる人間らしさにほっとする場面も。段々と相手のレベルが高くなって彼女の弱点も見えてくると同時に、周りに支えられてすぐにそれを補う彼女の強さも見えてきた。この辺りから孤独を抜け出せそうな兆しが見えてきてた覚えがある。感情を顔にはあんまり出さないベスだけど、段々彼女の気持ちがわかるようになってきて面白くなっていく。
最終話は本当にいいストーリーだった。薬物依存、アルコール依存に苦しみながらそれによって天井にチェス盤を想像する彼女の武器が、最終話になって薬物に頼らずとも発揮されるのは最強。
シャイベルさんとの出会いが彼女をチェスの世界に引き入れた時と同じように、別れによっても彼女をチェスの世界へと引き戻していて、彼女にとってのシャイベルさんの存在の大きさが彼女のふっきれたような涙にも表れているのが良い。ジョリーンも何年会わずとも彼女の心を開ける親友であり続けていて、自分では否定してたけど絶対彼女の守護天使だった。
ずっと孤独に生きて周りも同様に孤独だったベスだけど、チェスによってシャイベルさんは見守る少女を見つけたし、養母は彼女と飛び回る中で生き生きとしてきたし、ジョリーンは親友を見つけ、ベニーもハリーもタウンズもマットもマイクも彼女の才能に惹かれて、ボルゴフをはじめソ連選手たちまでも彼女と笑顔で勝負を終えていた。つまり彼女が多くの人を救ってくれた。ベス自身も周囲と溶け込んでいって笑顔を見せるようになるし、成長していってる。
最後、彼女が街中でチェスを楽しむ老人たちに笑顔で囲まれて一線交わすシーンで彼女がチェスを愛していてチェスに愛されて、チェスのおかげで世界中の人に愛されて彼女自身も愛を知ったのを感じて感無量。

あと彼女美しすぎるほんと、アニャテイラージョイって特徴的な目をしてるけど見れば見るほど美しい。
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